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2012 年度 実績報告書

植物の光受容体フィトクロムBのN末端領域が形成する光信号伝達複合体の生化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 23770048
研究機関九州大学

研究代表者

松下 智直  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20464399)

キーワードフィトクロム / シグナル伝達 / 光形態形成
研究概要

フィトクロムは植物の主要な光受容体であり、その分子は、発色団を結合し光受容に働くN末端領域と、二量体化に働きキナーゼ様ドメインを持つC末端領域の、2つのドメインから成る。従来、フィトクロムはC末端領域内のキナーゼ活性により下流へシグナルを伝達すると信じられてきたが、我々は、フィトクロムの最も主要な分子種であるphyBがN末端領域からシグナルを発すること、一方C末端領域はシグナル伝達に必要でないばかりかむしろ阻害的に働くことなどを明らかにした。この発見は従来の常識を覆すものであり、フィトクロムのシグナル伝達機構を一から考え直す必要が生じた。
そこで本研究は、現在全く未知であるphyB N末端領域からの光シグナル伝達機構の本質を分子レベルで理解するために、phyB N末端領域から直接光シグナルを受け取る新奇下流因子を明らかにする目的で、phyBのN末端領域と物理的に相互作用する蛋白質を生化学的手法により同定することを試みた。これまでに、同様の実験は複数の研究室で試みられてきたが、思うような成果は上がっていない。その理由は、活性型フィトクロム分子の立体構造が不安定であり、下流因子との結合が一過的であるためだと考えられる。そこで本研究では、phyBの立体構造を恒常的に活性型へと固定するアミノ酸置換変異Y276Hを導入することで、下流因子との結合を安定化させ、上記問題を解決する。そして解析を進めた結果、活性型のphyB N末端領域に特異的に結合する因子として、スプライシング関連の因子が複数同定された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Deletion of the RS domain of RRC1 impairs phytochrome B signaling in Arabidopsis2012

    • 著者名/発表者名
      Shikata H, Nakashima M, Matsuoka K, and Matsushita T
    • 雑誌名

      Plant Signaling & Behavior

      巻: 7 ページ: 933-936

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The RS domain of Arabidopsis splicing factor RRC1 is required for phytochrome B signal transduction2012

    • 著者名/発表者名
      Shikata H, Shibata M, Ushijima T, Nakashima M, Kong SG, Matsuoka K, Lin C, and Matsushita T
    • 雑誌名

      The Plant Journal

      巻: 70 ページ: 727-738

    • 査読あり
  • [学会発表] フィトクロムは選択的スプライシングを制御する2013

    • 著者名/発表者名
      四方明格
    • 学会等名
      第54回 日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20130321-20130323
  • [学会発表] RNA-seq解析によるフィトクロムBの選択的スプライシング制御の標的遺伝子同定とその機能推定2012

    • 著者名/発表者名
      柴田磨己・四方明格・牛島智一・大川恭行・久原哲・松下智直
    • 学会等名
      日本分子生物学会第35回年会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20121200
  • [学会発表] Phytochrome B controls alternative pre-mRNA splicing through Arabidopsis splicing factor RRC12012

    • 著者名/発表者名
      Hiromasa Shikata
    • 学会等名
      10th International Congress on Plant Molecular Biology
    • 発表場所
      Jeju, Korea
    • 年月日
      20121021-20121026
  • [学会発表] 植物の光情報受容体フィトクロムによる細胞内シグナル伝達機構の解析2012

    • 著者名/発表者名
      松下智直
    • 学会等名
      第17回2012年日本光生物学協会年会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20120817-20120818
    • 招待講演
  • [学会発表] Red Light-dependent Alternative Splicing in Phytochrome B Signaling2012

    • 著者名/発表者名
      Hiromasa Shikata
    • 学会等名
      The 23rd International Conference on Arabidopsis Research
    • 発表場所
      Vienna, Austria
    • 年月日
      20120703-20120707

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公開日: 2014-07-24  

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