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2012 年度 実績報告書

脊椎動物新規紫外線受容タンパク質の機能発現メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 23770074
研究機関京都大学

研究代表者

山下 高廣  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50378535)

キーワード光受容 / 蛋白質 / 紫外光 / 脳・神経
研究概要

ヒトを含む脊椎動物に広く見いだされる光受容タンパク質であるOpn5は、哺乳類は1種類(Opn5m)しか遺伝子を持たないが、哺乳類以外の脊椎動物はそれ以外に2種類(Opn5L1、Opn5L2)の遺伝子を持つことがわかっている。研究代表者は本研究課題の前および昨年度の成果において、ニワトリOpn5mとOpn5L2がともに紫外光を受容しGタンパク質を活性化する紫外光感受性オプシンであることを見いだした。また、これらの発現部位を調べたところ、網膜の視細胞以外の神経細胞、松果体、視床下部に存在することがわかった。また、ヒト、マウス、カエル、ゼブラフィッシュのOpn5mはすべてニワトリOpn5mと同様に紫外光感受性であることを見いだした。以上の研究背景を元に本年度は以下の成果を得た。
1.脊椎動物Opn5mの分子特性をさらに解析したところ、非哺乳類Opn5mは11シス型レチナールを結合し紫外光受容で活性化する以外に、全トランス型レチナールを直接結合し光とは関係なく活性化する一方、哺乳類Opn5mはその能力を失っていた。さらにこの全トランス型レチナールの直接結合能の喪失は、1アミノ酸の変化によりなされていることがわかった。つまり、哺乳類Opn5mは1アミノ酸変異により光受容体に特化していると言える。
2.ニワトリOpn5L1の分子特性の解析を行った。結合するレチナール異性体を調べたところ、多くのオプシン類が結合する11シス型を結合せず全トランス型のみを結合した。さらに、この全トランス型レチナールの結合により光とは関係なくGタンパク質を活性化し、光受容によりその活性が減少することがわかった。つまり、Opn5L1は光によって活性化されずレチナール結合という化学受容によってのみ活性化される特異なオプシンである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Glutamate acts as a partial inverse agonist to metabotropic glutamate receptor with a single amino Acid mutation in the transmembrane domain.2013

    • 著者名/発表者名
      M. Yanagawa
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 288 ページ: 9593-9601

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.437780

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chloride-dependent spectral tuning mechanism of L-group cone visual pigments.2013

    • 著者名/発表者名
      T. Yamashita
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 52 ページ: 1192-1197

    • DOI

      10.1021/bi3016058

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unique haplotype in exon 3 of cone opsin mRNA affects splicing of its precursor, leading to congenital color vision defect.2012

    • 著者名/発表者名
      H. Ueyama
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 424 ページ: 152-157

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2012.06.094.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Photochemical properties of mammalian melanopsin.2012

    • 著者名/発表者名
      T. Matsuyama
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 51 ページ: 5454-5462

    • DOI

      10.1021/bi3004999

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comparative studies on the late bleaching processes of four kinds of cone visual pigments and rod visual pigment.2012

    • 著者名/発表者名
      K. Sato
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 51 ページ: 4300-4308

    • DOI

      10.1021/bi3000885

    • 査読あり
  • [学会発表] Molecular properties of vertebrate non-visual opsins, Opn5 and Opn5-like protein

    • 著者名/発表者名
      山下高廣
    • 学会等名
      15th International Conference on Retinal Proteins
    • 発表場所
      スイス、アスコナ
    • 招待講演
  • [図書] Evolution and Senses2013

    • 著者名/発表者名
      Y. Shichida
    • 総ページ数
      46
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2014-07-24  

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