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2012 年度 実施状況報告書

魚類の回帰・固執行動解明を最終目標とした神経ロガーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23770077
研究機関日本大学

研究代表者

牧口 祐也  日本大学, 生物資源科学部, 助手 (00584153)

キーワードバイオロギング / 脳波
研究概要

本研究では、コイ(Cyprinus carpio)の明暗条件に伴った活動時、非活動時における脳の電位変化を記録しその違いから魚類の脳波を解析することを目的とした。
供試魚にはコイ(体長19.3 cm 体重170 g)を用いた。麻酔を施した供試魚の頭骨に電極取り付け用の穴を開けて電極装着手術を行った。電極装着手術では最後にデンタルセメントを用いて遊泳時に電極が外れないように電極固定を行った。手術後、コイをアクリル水槽(180×60×60 cm)に移し3 時間ほど水槽に馴致させ、コイが麻酔から十分に覚醒したことを確認した後電位変化の測定を行った。測定開始から、最初の5 時間を蛍光灯による明条件(233 lx)、続く5 時間を明かりを消した状態の暗条件(0 lx)とした。得られた電位変化の波形から、明条件および暗条件時の30秒以上の波形をそれぞれ10 箇所ずつ選択し、周波数解析ウェーブレット変換を用いて周期を出し周期を周波数に変換した。得られた脳電位から2 つの卓越した周波数が確認された。統計は得られた卓越周波数を明暗条件でt検定により比較した。
得られた2 つの卓越周波数の平均値は、明条件で3.62 Hzと1.72 Hz、暗条件で2.69 Hzと0.97 Hzとなった。t検定の結果、明暗条件間に有意差があり暗条件は明条件と比較して周波数が低かった。よって、本実験で記録されたそれぞれの波形はコイの明暗条件に伴った脳波である可能性が考えられる。ヒトの脳波において平常時から睡眠が深くなるにつれて周波数が低下することが明らかになっている。本実験においても暗条件において周波数が低下していたため、コイの睡眠行動時における脳波を記録した可能性が考えられる。ヒトなどの哺乳類の睡眠時の脳波との比較を行なえば魚類の睡眠行動について明らかになる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度までに自由遊泳中のコイから脳波を導出する手法を確立した。しかし、本研究の目的である①野外における自由遊泳中のニジマスからの脳波導出、②データロガーを用いた脳波の導出を行っていない。そのような理由から研究期間を1年間延長し、①および②の研究達成を目標とする。

今後の研究の推進方策

まず、半野外環境でニジマスを用いた実験を行うために静岡県水産試験研究所で研究を行う。また、京都大学の三田村啓理助教の協力を得て脳波導出のためのデータロガーを試作し脳波導出の実験を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

実験を行う予定である静岡県水産試験研究所への交通費として計上する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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