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2013 年度 実績報告書

海綿動物の無性生殖による浮遊分散機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23770081
研究機関東京大学

研究代表者

伊勢 優史  東京大学, 農学生命科学研究科, 特任研究員 (20535108)

キーワード海綿動物 / 動物分類学 / 浮遊分散 / サンゴ礁
研究概要

平成25年度は, 1.フウライカイメンが含まれるセンコウカイメン科とその近縁科の分子系統解析, 2. フウライカイメンの姉妹群の探索, 3. フウライカイメンの隠蔽種の探索を行った.
1については, 50個体44種3遺伝子を用いた解析を行い, センコウカイメン科とその姉妹群であるPlacospongiidae, Acanthochaetetidae, Spirastrellidaeの明瞭な系統関係を得ることができた. 更にセンコウカイメン科内においてはPione属を除いたいずれの属も単系統群にはならず, 新たに4つの属を再定義する必要があることが判明した. 塩基配列を更に増やした予備的な解析からは, これら4つの属の系統関係も明瞭になりつつあり, 非穿孔型のカイメンから穿孔型のカイメンへの進化および穿孔型のカイメンの中での様々な適応放散の概要が判明しつつある.
2については, フウライカイメンのCO1遺伝子を得ることができなかったため, 1の解析とは別に54個体47種2遺伝子を用いた分子系統解析を行った. その結果, これまで不明であったフウライカイメンの姉妹群がカリブ海にのみ生息するSpheciospongia vespariumであることが判明した. またこれら2種の姉妹群がCliona variansであることも判明し, フライカイメン以外の2種が無性生殖の芽球を形成するかどうかも含め, 浮遊性芽球の起源について更に詳細に調べる必要がある.
3については, 琉球列島各地およびマレーシアから得られたフウライカイメン合計32個体を材料とし, ALG11遺伝子を用いた分子系統解析を行った. この結果, フウライカイメンを2種に分けることが妥当であることが明らかとなってきている 現在, これら2種を分ける各種形態形質の探索を行っているところである.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Revised Structure of Cyclolithistide A, a Cyclic Depsipeptide from the Marine Sponge Discodermia japonica2014

    • 著者名/発表者名
      Tajima, H., Wakimoto, T., Takada, K., Ise, Y. & Abe, I.
    • 雑誌名

      Journal of Natural Products

      巻: 77 ページ: 154-158

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stimulators of adipogenesis from the marine sponge Xestospongia testudinaria2013

    • 著者名/発表者名
      Akiyama, T., Takada, K., Oikawa, T., Matsuura, N., Ise, Y., Okada, S. & Matsunaga, S.
    • 雑誌名

      Tetrahedron

      巻: 69 ページ: 6560-6564

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Isolation of Ciliatamide D from a Marine Sponge Stelletta sp. and a reinvestigation of the Configuration of Ciliatamide A2013

    • 著者名/発表者名
      Imae, Y., Takada, K., Okada, S., Ise, Y., Morii, Y., Yoshimura, H. & Matsunaga, S.
    • 雑誌名

      Journal of Natural Products

      巻: 76 ページ: 755-758

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 分類学に基づいた動物学 - 海綿動物を例に, “海綿動物門第4の綱:同骨海綿綱”2013

    • 著者名/発表者名
      伊勢優史
    • 雑誌名

      タクサ-日本動物分類学会誌

      巻: 34 ページ: 18-24

    • 査読あり
  • [学会発表] 宮古曽根で採取したカイメンに含まれるがん細胞増殖抑制物質2014

    • 著者名/発表者名
      松永茂樹, 人羅勇気, 高田健太郎, 伊勢優史, 岡田茂
    • 学会等名
      ブルーアース2014
    • 発表場所
      東京海洋大学, 東京
    • 年月日
      20140219-20140220
  • [学会発表] 宮古諸島下地島の海底洞窟の無脊椎動物相(予報)2013

    • 著者名/発表者名
      藤田喜久, 成瀬貫, 久保弘文, 伊勢優史
    • 学会等名
      沖縄生物学会第50回大会
    • 発表場所
      琉球大学, 那覇, 沖縄
    • 年月日
      20130526-20130526
  • [学会発表] 熱水および冷湧水が支える生態系の多様性と広がりに関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      大西雄二, 長塩皓美, 山上翔世, 渡部裕美, 伊勢優史, 小糸智子, 山中寿朗
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2013年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場, 千葉
    • 年月日
      20130519-20130524

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公開日: 2015-05-28  

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