クサウオ科魚類は主に北太平洋で爆発的に種分化した多様なグループである.本研究では,主に遺伝的情報を用いて,その多様性の程度と起源を明らかにする事を目的とした.特に,北太平洋でも閉鎖的な海域である日本海からは,ノトサイカイビクニンを新種として発表した.さらに日本海から得られたアラスカビクニンに類似した1新種についても現在記載を進めている.また,深海性のサケビクニン類やアバチャンにおいて,海域ごとに形態的・遺伝的分化をみいだし.それらが複数の種からなっている可能性を明らかにした.クサウオ科魚類は,大型の沈性卵を産出するために海域間で分化が起こりやすく,これが種分化につながるものと考えられた.
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