コケ植物のフロラの成立過程を明らかにするため,大気中から回収された散布体と地上に生育する植物体のハプロタイプの比較を行った.また,得られたサンプルについてDNAバーコーディングを行い,サンプルの同定を試みた.本研究の結果,葉緑体ゲノムを対象としたDNAハプロタイプマーカーが開発できた.また,大気中から得られたサンプルとして,コケ植物とシダ植物,藻類が確認された.DNAバーコーディングの結果,コケ植物の一部の種は日本で未記録の種と推定された.アカイチイゴケについては葉緑体ハプロタイプが4つ確認された.一方でコケ植物のDNAバーコードライブラリの必要性が示唆された.
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