研究課題/領域番号 |
23770096
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
堤 千絵 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究員 (30455422)
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キーワード | 着生 |
研究概要 |
着生シダ植物ヒトツバ属(Pyrrosia)には,樹幹着生種(ヒトツバなど),枝先着生種(P. lanceolataなど),宿主を枯死させる推定略奪寄生種(P. piloselloides)が知られる。宿主枝の枯死は推定略奪寄生種の宿主への寄生化が原因の可能性がある。そのためヒトツバ属において、樹幹から枝先への着生化、および、着生から寄生化、という2つの進化がおこったという仮説を検証することを目的に研究を行っている。 本年度は、生育状況の調査、系統解析、および形態解析を実施する予定であった。昨年度から開始した生育状況の調査については、本年度も推定略奪寄生種P. piloselloidesと、その宿主の生育状況を引き続き調査した。昨年度にP. piloselloidesを除いた宿主枝では、除かなかった枝と比較してより成長する結果が得られつつあり、P.piloselloidesによる何らかの成長阻害がある可能性が示唆されつつある。来年度以降も継続して生育状況の調査を実施し、P. piloselloidesの有無による宿主の成長を比較し、P. piloselloidesの宿主への影響を推定する予定である。 しかし、他に予定していたP. piloselloidesの宿主への侵入を調べる形態調査や、ヒトツバ属の系統解析によるヒトツバ属の着生性の進化については、2012年8月からの病休および産前産後の休暇、育児休業の取得に伴い、研究を中断したため、実施することができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2012年8月から病休および産前産後の休暇、育児休業の取得に伴い、研究を中断したため、研究は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度は育児休業のため研究を中断し、2014年度から復帰し研究を継続する予定である。そのため、2014年度まで研究期間を延長し、2014年度に、生育状況の調査、および形態解析、系統解析を実施し、研究成果をまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度は育児休業による研究中断のため使用せず、2014年度以降に使用予定である。
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