研究課題/領域番号 |
23770099
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研究機関 | 大阪市立自然史博物館 |
研究代表者 |
松本 吏樹郎 大阪市立自然史博物館, その他部局等, 学芸員 (90321918)
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キーワード | 系統学 / 生物間相互作用 / 多様性 |
研究概要 |
アメリカ合衆国、イギリスを中心に海外の対象分類群を入手した。マレーゼトラップや灯火採集用具を用いて、解析上重要でありながらこれまでに得られたサンプルでは塩基配列の読み取りが不可能であった種に関して,追加サンプルを入手し解析に加えた。データの解析のためパソコンを購入し、これまでに得られている塩基配列データに基いて系統解析を行った。種の同定に利用可能なバーコード領域(mitochondria COI)等のデータはさらに蓄積でき、同属の種間関係など近縁なものについては系統関係が明らかになり、幼虫の解析も併せて行うことによって、寄主ー寄生者の対応付けをすることができた。一方で、属間などの上位の分類群間の系統関係については解像度が不十分で、新たな領域の探索を行なっている。 サンプリングの過程で特異な寄主操作を行う種が見出され、解析に追加し、分類、系統、行動に関しての論文を作成中である。同内容に関して日本昆虫学会の大会にて口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上位の分類群間の系統関係について予備解析を行った際に有用だと考えられてた領域が、実際には解像度が不十分なことが判明し、新たな領域について試行する必要がでてきたため、進捗状況はやや遅れていると評価した。ただし、研究期間の延長申請を行い、承認されているので、本年度にて目的は充分達成できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上位分類群間の系統関係の推定に有効な領域に関して解析を進める。候補はすでにあがっているので、実際に実験をすすめ、解析を進める。また、新たに得られた分類群に関しては既知種と比較し分類学的処理を行うためアメリカ合衆国のAmerican Entomologicak Instituteを訪問する(研究材料として分類上の地位を確定するのは本研究の遂行上の必要事項である)予定であったが、実施できていないため、これを実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
試薬類や消耗品は概ね足りているが、不足分は追加購入する。対象群の資料が世界で最も充実しているAmerican Entomologicak Instituteを訪問し、新たに見出された分類群に関して,分類学的地位を確定する必要があり、このための旅費を使用する.また論文投稿料としても一部使用する予定である。
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