研究課題
本申請では、ドメイン欠損型HLA-Gの中でも、特に機能的に重要な事が明らかなHLA-G6について、認識する免疫制御受容体分子LILRB2との相互作用解析・立体構造解析を行い、その分子基盤を明らかにすることを目指す。今年度は、昨年度に引き続き安定なHLA-G6蛋白質を調製し、電子顕微鏡による立体構造解析を行った。HLA-G6の5000強個の電子顕微鏡像を30クラスに分類することを3回繰り返す作業を行っている。さらに像を選別、解析することによって、HLA-G6の全体像を明らかにすることを目指す。電子顕微鏡解析によりドメイン配向などが明らかになれば、既に結晶構造の明らかになっている通常型HLA-G1の精密な構造を当てはめることによって、受容体結合部位の予想も可能であると考えている。HLA-G6受容体であるLILRB2との相互作用部位の同定に向けてはNMR解析およびX線結晶構造解析を同時に進めている。NMR解析では、LILRB2の主鎖ピークアライメントに向けて溶液条件の検討を行ってきたが、リガンドであるHLA-G6を加えることにより、タンパク質が凝集する傾向もみられ、さらなる条件検討が必要であると考えられる。X線結晶構造解析については、HLA-G6単独での結晶化が困難であったため、受容体LILRB2と混合することによって複合体を形成させ、構造が安定化することを狙って結晶化スクリーニングを仕掛けている。今のところ、LILRB2単独の結晶であるか、良い反射を得られない結晶であるかのどちらかであり、今後さらなる条件検討を行う。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Mol Immunol.
巻: 55(3-4) ページ: 393-9
doi:10.1016/j.molimm.2013.03.014.
Hum Immunol.
巻: 74(4) ページ: 433-8
doi:10.1016/j.humimm.2012.11.060.