本研究では、アブシシン酸(ABA)の細胞間輸送の鍵となる2種類のABAトランスポーターを対象とし、X線結晶構造解析のための試料調製法の検討を行った。Pichiapastorisを用いた酵母発現系を構築し、ABAトランスポーターが膜画分へ発現することが示された。また、種々の界面活性剤による可溶化を検討し、Fos-choline12またはLDAOで効果的にABAトランスポーターを可溶化できることが示された。これらの成果は、ABAトランスポーターの立体構造に基づいてABA輸送機構を理解するための基盤となるものである。
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