研究課題
本研究ではSwi5-Sfr1 複合体に注目し、この複合体および相互作用分子であるRad51 との超分子複合体の構造機能相関解析を行った。X線結晶構造解析、X線小角散乱解析など複数の解析手法を組み合わせる事で、これら複合体が行う相同組み換えによる鎖交換反応の分子機構モデルを構築した。Swi5とSfr1C末端側領域(Sfr1C)の結晶構造を明らかにした。Swi5-Sfr1Cが複合体を形成すること、この複合体がRad51の活性化に必須である事を明らかにした。さらにSfr1のN末端側領域(Sfr1N)はSwi5-Sfr1Cの機能を促進する働きをもち、DNAやRad51結合能を持つ事を明らかにした。これら結果をStrucuture誌に報告した。結晶構造解析ではSfr1NとSfr1Cを分けて解析していたため、Sfr1の全体構造は明らかにできなかった。そこでSwi5-Sfr1全長複合体のX線小角散乱解析(SAXS)を行い、その低分解能溶液構造を明らかにした。Swi5-Sfr1は細長い棒状の構造をしていたため、そのトポロジーを知るのは困難であったが、複数のモノクロナール抗体との複合体のSAXSを測定する事により、Swi5-Sfr1複合体のトポロジーを明らかにし、X線結晶構造解析では明らかにできなかったSfr1Nの構造を明らかにした。これらの結果はJBC誌に報告した。この研究の過程でSfr1Nが天然変性領域である事をSAXS、CD、NMR、MS解析により明らかにした。またSAXSとMSを組み合わせることにより天然変性領域の同定や解析を行った結果についてAnalyst誌に報告した。本研究により、Swi5-Sfr1によるRad51活性化機構メカニズムを明らかにしたとともに蛋白質複合体や天然変性領域の解析手法の確立に貢献できた。
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FEBS letters
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The Analyst
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