研究課題
自然免疫は微生物の感染に対する生体の初期防御反応である。微生物の構成成分はToll-like receptors (TLRs),NOD-like receptors (NLRs),RIG-I-like receptors (RLRs)などの受容体によって認識されることで様々な免疫応答を引き起こす。これら受容体は,様々な病気の治療薬のターゲットとして注目されている。本申請課題では,自然免疫系のTLR受容体のうち核酸の認識に関わるTLR7,TLR8,TLR9と核酸の複合体を主にX線結晶構造解析により明らかにすることを目的とする。平成23年度は,TLR7,TLR8,TLR9(それぞれヒトとマウス由来)のショウジョウバエS2細胞での発現系を構築した。ヒトTLR7,マウスTLR7,マウスTLR9については精製条件を確立して,結晶化可能な量の蛋白質が得られるようになった。結晶化条件のスクリーニングの結果,ヒトTLR7/RNA複合体,マウスTLR9については既に結晶を得ている。今後,条件を最適化して構造決定を目指す。
2: おおむね順調に進展している
既に発現系の構築が済んでおり,結晶が得られているものもある。
おおむね順調に進んでいるので,このままの計画で研究を遂行する予定である。次年度は特に結晶化と構造解析に注力して研究を進める予定である。
結晶化可能な量の蛋白質を得るには,1度につき10 L程度の昆虫細胞の培養が必要である。これを年度を通して恒常的に行うため、ほとんどすべての研究費は培養や精製などの蛋白質の調製のための培地や試薬に使用する予定である。
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