研究課題
本申請課題では,自然免疫系の受容体によるリガンド認識機構やシグナル伝達機構を主にX線結晶構造解析により明らかにすることを目的として,核酸認識TLRs (TLR7,TLR8,TLR9)と核酸の複合体(抗ウイルス薬,ワクチン)の構造解析を目指す。本年度は,核酸を認識する自然免疫系受容体のTLR7,TLR8,TLR9について,結晶化に適した発現系の構築を進めるとともに有望なコンストラクトについて結晶化を進めた。様々な種由来のTLR7, TLR8, TLR9の発現をチェックし、なかでもTLR8について高純度の精製試料を得ることに成功した。また、TLR7、TLR9についても有望そうなコンストラクトを得ることに成功した。ヒトTLR8について、リガンド非結合型および低分子リガンド結合型での構造解析に成功した。TLR8は、リガンド非結合型ですでに2量体を形成しており、リガンドに結合することでこの2量体が再構成されることで活性型の2量体になることが明らかになった。リガンドは2量体の界面に結合しており、2量体につき2分子が結合していた。リガンド認識の詳細が明らかになったことから、TLR8をターゲットにした薬剤の開発が加速することが期待される。TLR8に関して、引き続きRNA複合体の構造解析を目指して研究を進めている。TLR7、TLR9については、複数の条件で結晶が得られているので、今後結晶化条件を検討するなどして構造解析を目指す。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件)
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