リン酸化によるCbl-bのユビキチンリガーゼ活性の調節機構の構造的基盤を解明するために、まず、リン酸化状態を模倣したCbl-b39-465Y363E変異体の大量調製系を確立し、結晶化に適した高純度の蛋白質試料を得た。さらに、この試料を用いて結晶化条件の探索を行った。しかし、2012年1月にHuangらのグループから同じファミリー蛋白質であるc-Cblのリン酸化状態の結晶構造が報告されてしまった。そこで、当初の研究計画を変更し、Cbl-bと基質であるリン酸化状態のIRS-1との結合に着目した研究を行った。リン酸化状態のIRS-1を模倣したペプチドとCbl-bの基質認識ドメインであるTKBドメインとの複合体結晶構造解析を行い、その結合様式の詳細を明らかにした。
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