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2012 年度 実施状況報告書

細胞分化を制御するヒストン脱メチル化酵素の構造機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23770131
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

仙石 徹  独立行政法人理化学研究所, システム研究チーム, 研究員 (60576312)

キーワードエピジェネティクス / X線結晶構造解析 / 分化
研究概要

平成23年度までに、UTX単独の立体構造・UTX-ヒストンH3ペプチド複合体の立体構造決定は終了し、それに基づいた変異体の生化学的解析と合わせて、UTXによるH3K27特異的脱メチル化機構の解析はほぼ終了した。
平成24年度には、UTXの特異的阻害剤の開発へ向けた研究を行った。理化学研究所の本間チームの助言のもと、既知の非特異的阻害剤との類似性を指標にしたインシリコスクリーニングを行い、市販化合物からUTX阻害剤候補化合物をリストアップした。また、UTXやそのホモログであるJMJD3の立体構造に対してドッキングシミュレーション計算を行い、同様に市販化合物から阻害剤候補化合物をリストアップした。また、理化学研究所の伊藤専任研究員との共同研究で、AlphaLISAシステムを用いたUTX阻害剤のハイスループットアッセイシステムを構築した。また、同定されたUTX阻害剤候補化合物の特異性を調べるため、他のヒストン脱メチル化酵素についての大腸菌発現系を構築し、そのうち数種の酵素については発現・精製条件の検討を行った。これらの成果から、UTXの特異的阻害剤の開発に必要な環境は整備されたと考える。今後はこの環境を用いて、リストアップした阻害剤候補化合物やその他の化合物ライブラリーについてアッセイを行い、有望な化合物の同定を行う予定である。また、ノースカロライナ大学のグループとの共同研究で、UTXとそのホモログであるUTYの構造的相違点の解析に従事した(Shpargel et al. 2012 PLOS Genetics)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初に目的とした、UTXの構造解析とH3K27特異的脱メチル化機構の解析はほぼ終了している。現在はその研究成果を踏まえて、特異的阻害剤の開発が進行中である。

今後の研究の推進方策

構造解析とインシリコスクリーニングによってリストアップされた阻害剤候補化合物の活性を、実際に生化学的実験を行うことで確かめる。また、化合物ライブラリーについてハイスループットアッセイを行い、特異的阻害剤の同定を試みる。

次年度の研究費の使用計画

予定していた「UTXの構造解析とH3K27特異的脱メチル化機構の解析」が当初の予定より早く終了したため、次年度使用額が発生した。この研究費は、UTX特異的阻害剤の開発に使用する。阻害剤候補化合物の購入(約30%)、阻害アッセイのための試薬の購入(約30%)、タンパク質発現・精製試薬(約30%)、旅費(約10%)などにあてる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] UTX and UTY Demonstrate Histone Demethylase-Independent Function in Mouse Embryonic Development2012

    • 著者名/発表者名
      Karl B. Shpargel, Toru Sengoku, Shigeyuki Yokoyama, Terry Magnuson
    • 雑誌名

      PLOS genetics

      巻: 8 ページ: -

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1002964

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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