研究課題
若手研究(B)
老齢SMAP1欠損マウスの約半数は、骨髄系血液細胞の異形成を伴った貧血を呈し、この病態はヒトの重篤な血液疾患である骨髄異形成症候群(MDS)に対応していた。さらに、MDSを発症したマウスの一部では急性白血病への移行を認めた。種々の輸送実験を行った結果、SMAP1欠損赤芽球ではトランスフェリンの取り込みが顕著に亢進していることを明らかにした。一方、SMAP1欠損マスト細胞ではc-Kitの取り込みには違いが認められなかったが、c-KitのMVBからリソソームへの選別が阻害されていることを見出した。さらには、このc-Kit分解遅延に伴って、活性化ERKの増加ならびに細胞増殖が亢進していた。これらのことより、トランスフェリンやc-Kitに代表されるクラスリン輸送機構の脱制御がMDSならびにAMLの素因になりうることを世界で始めて実証した。
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J. Clin. Invest
巻: 123 ページ: 1123-1137
doi:10.1172/JCI63711
http://www.idac.tohoku.ac.jp/ja/activities/info/news/20130225/index.html