研究課題
蛋白質分子は本質的には動的であり、その機能を理解するには構造揺らぎを正しく評価する必要がある。しかしながら、これまでは測定方法の限界から、比較的小さな蛋白質のみがNMR法を用いた構造揺らぎ測定の対象となっていた。本研究では溶媒クエンチ水素・重水素交換NMR法と蛋白質工学的手法とを組み合わせることによって、巨大蛋白質分子複合体GroEL/ESの構造揺らぎの解明を目指す。これにより従来の静的な蛋白質の構造・機能相関の見方を超えて、これまで未踏であった巨大蛋白質複合体がどのような構造揺らぎを持ち、機能を発現しているのか明らかにする。平成24年度までに溶媒クエンチ法によるGroESの水素・重水素交換反応を明らかにし、さらにGroELの頂上ドメインを単独で大腸菌発現し、水素・重水素交換反応を行った。昨年度に行った頂上ドメイン単独での水素/重水素交換反応に引き続き、本年度は頂上ドメインをインテインと融合させた蛋白質分子の構築を行った。インテインとしてMxe GyrAが融合されるpTXB1システムを用いた。NdeI及びXhoIサイトを用いて頂上ドメインをサブクローニングしてインテインのN末端側に融合させた。大腸菌BL21(DE3)株による組み替え体の発現に成功した。これによって頂上ドメインのC末端をチオエステル化した誘導体が作製でき、今後、GroELの他の領域とタンパク質ライゲーションを行う基盤を確立できた。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件)
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