Ｌｙｓ６３型ポリユビキチン化修飾による細胞内シグナル伝達及び発癌機構の解明

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23770203
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 分子生物学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 合田 仁 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (90361617)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2012
• キーワード: ユビキチン / 細胞内シグナル伝達 / 発癌 / 自然免疫応答 / 翻訳後修飾

研究概要

ポリユビキチン化は、ユビキチンと呼ばれる低分子量タンパク質が標的タンパク質に鎖状に重合する現象である。ユビキチンの結合様式によって異なるパターンのポリユビキチン鎖が生じ、標的タンパク質に対して異なる生理作用を及す。本研究では、63番目のリジン残基を介して重合するポリユビキチン化 (K63型ポリユビキチン化)されたタンパク質を、細胞抽出液から精製する手法を開発した。さらに、レトロウイルスHTLV-1感染が原因である成人T細胞白血病の発症に、K63型ポリユビキチン化が関与する可能性を見出した。

研究成果

• [雑誌論文] Partial purification of Lys63 ubiquitinated proteins by using a column switch HPLC method (2012)
  • 著者名/発表者名: Kojima A, Akizawa T, Gohda J, Ueda Y, Inoue J.
  • 雑誌名: PEPTIDE SCIENCE ページ: 161-164
• [雑誌論文] P47 negatively regulates IKK activation by inducing the lysosomal degradation of polyubiqitinated NEMO (2012)
  • 著者名/発表者名: Shibata Y, Oyama M, Kozuka-Hata H, Han X, Tanaka Y, Gohda J, Inoue J.
  • 雑誌名: Nat. Commun 巻: 3(1061) ページ: 1-13
• [雑誌論文] Activation of the IkB kinase complex by HTLV-1 Tax requires cytosolic factors involved in Tax-induced polyubiquitination (2011)
  • 著者名/発表者名: Shibata Y, Tanaka Y, Gohda J, Inoue J.
  • 雑誌名: J. Biochem 巻: 150 ページ: 679-686
• [学会発表] NZF-FペプチドとK63型ポリユビキチン鎖の結合性の確認 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山村広斗、小嶋絢、合田仁、井上純一郎、谷口将済、小西元美、秋澤俊史
  • 学会等名: 日本薬学会第134年会
  • 発表場所: 熊本市総合体育館
  • 年月日: 2014-03-29
• [学会発表] カラムスイッチHPLCを用いたTAB2由来NZFペプチドの金属結合性の検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 出口隼也、小嶋絢、今村亮介、合田仁、井上純一郎、谷口将済、小西元美、秋澤治俊史
  • 学会等名: 日本薬学会第134年会
  • 発表場所: 熊本市総合体育館
  • 年月日: 2014-03-29
• [学会発表] TAB2由来NZFペプチドの2次構造解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 今村亮介、小嶋絢、出口隼也、合田仁、井上純一郎、谷口将済、小西元美、秋澤俊史
  • 学会等名: 日本薬学会第134年会
  • 発表場所: 熊本市総合体育館
  • 年月日: 2014-03-29
• [学会発表] Activation of the IkB kinase complex by HTLV-1 Tax requires cytosolic factors involved in Tax-induced polyubiquitination (2012)
  • 著者名/発表者名: Yuri Shibata, Yuetsu Tanaka, Jin Gohda, Jun-ichiro Inoue
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会
  • 発表場所: 福岡国際会議場
  • 年月日: 2012-12-15
• [学会発表] P47 negatively regulates IKK activation by inducing the lysosomal degradation of polyubiquitinated NEMO (2012)
  • 著者名/発表者名: Yuri Shibata, Masaaki Oyama, Hiroko Kozuka-Hata, Jin Gohda, Jun-ichiro Inoue
  • 学会等名: 第35回分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡国際会議場
  • 年月日: 2012-12-12
• [備考] 本研究成果に関する発表論文ついては、東京大学医科学研究所・分子発癌分野のホームページに掲載
  • URL: http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/BunshiHatsugan/index.html