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2012 年度 実績報告書

ヒストン脱メチル酵素KDM2Aによる飢餓応答の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23770209
研究機関高崎健康福祉大学

研究代表者

田中 祐司  高崎健康福祉大学, 薬学部, 助教 (90453422)

キーワードリボソームRNA / ヒストン脱メチル化 / CpG / rDNA / JmjC / シグナル伝達 / CXXC / クロマチン
研究概要

申請者らの以前の研究で、KDM2A が血清・グルコース飢餓時にヒストン脱メチル化を介してリボソームRNA(rRNA)転写を抑制する事を明らかにした。しかし、詳細な分子機構は分かっていない。そこで、以前までの研究成果を発展させ、① 血清・グルコース中のどの培養成分がKDM2A の脱メチル化能を調節するのか。②KDM2A はどの様な分子機構でrRNA 転写抑制を起こすのか。これらを明らかにする目的で研究を開始した。
その結果、インスリン又はグルコースが、飢餓時に起こるKDM2A依存的なrRNA転写抑制、及びヒストンH3K36me1/2 脱メチル化を抑制できることが分かった。さらにrDNAプロモーターに結合しているKDM2Aを解析した所、プロモーター上で脱メチル化活性変化が生じると考えられた。この事は飢餓シグナルがrDNAプロモーター上のKDM2Aに伝達される事を示唆している。
次に、KDM2AによるrRNA転写抑制の分子機構を解析するため、KDM2Aの機能ドメイン変異体解析を行った。その結果、KDM2Aの機能ドメインの一つ、CXXCドメインが非メチル化CpG配列結合能を持ち、rDNAプロモーターにリクルートするのに必要であることが分かった。そして、rDNAプロモーターで起こる飢餓時のヒストン脱メチル化にはCXXCドメインが必要であることが明らかとなった。一方、Pol II遺伝子の一つで、CpG配列をもつP2RX4遺伝子にはKDM2AはCXXCドメイン依存的に結合するが、脱メチル化能発揮にCXXCドメインは必要でなかった。これら一連の結果はrDNAプロモーターと、他のRNAポリメラーゼII遺伝子クロマチンの違いを反映している可能性がある。現在は以上の結果の結果をまとめ国際学術誌に投稿後、リバイス中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] rRNA転写抑制に関わる脱メチル化酵素KDM2Aと環境因子2013

    • 著者名/発表者名
      田中祐司、岡本健吾、常岡誠(田中祐司)
    • 学会等名
      第2回リボソームミーティング
    • 発表場所
      東京農工大 府中キャンパス
    • 年月日
      20130328-20130329
  • [学会発表] 脱メチル化酵素KDM2A (Lysine-specific demethylase 2A) によるリボソームRNA 転写抑制機構の解析

    • 著者名/発表者名
      立川 かずみ,田中 祐司, 岡本 健吾, 馬田 敏幸, 常岡 誠(田中祐司)
    • 学会等名
      平成24年度 日本生化学会関東支部例会
    • 発表場所
      群馬大学昭和キャンパス
  • [学会発表] ヒストン脱メチル化酵素KDM2AによるリボソームDNAのエピジェネティック調節

    • 著者名/発表者名
      田中祐司、岡本健吾、常岡誠(田中祐司)
    • 学会等名
      第56回日本薬学会関東支部若手シンポジウム
    • 発表場所
      昭和大学 旗の台キャンパス
    • 招待講演
  • [図書] 細胞工学 8月号 核小体とリボソームRNA転写調節2012

    • 著者名/発表者名
      常岡誠、田中祐司、岡本健吾(常岡誠)
    • 総ページ数
      7ページ
    • 出版者
      秀潤社
  • [備考] 高崎健康福祉大学 薬学部 遺伝子機能制御学研究室

    • URL

      http://www.takasaki-u.ac.jp/yaku2/idenshikinouseigyo/index.htm

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公開日: 2014-07-24  

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