神経変性疾患の一種である筋萎縮性側索硬化症 (ALS)の責任遺伝子産物としてTDP43タンパク質が知られている.本研究では,TDP43タンパク質のカルボキシル末端側断片であるTDP25からRNAが解離することにより凝集し始めることを,蛍光相関分光法を用いることで明らかにした.次に,このTDP25が全長のTDP43タンパク質を巻き込むことで,細胞内で封入体を形成することを,共焦点レーザー顕微鏡観察により明らかにした.また,TDP25を発現させた神経細胞では,全長のTDP43を発現した時よりも,細胞死が高頻度で引き起こされることがわかった.
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