研究課題
昨年度に引き続き、オートファゴソームへの局在を指標にしたRab-GAPである、TBC1D2B, TBC1D11のオートファジーにおける役割の同定を試みた。2者ともオートファゴソーム局在タンパク質であるLC3と結合することを見いだし、TBC1D2BにおいてはLC3との結合に必須なアミノ酸を同定した。TBC1D11に関しては、そのN末側の領域がLC3と結合することに重要である事を見いだしたが、結合に必須なアミノ酸の同定までにはいたらなかった。先行して研究を進めていたOATL1は過剰発現においてオートファゴソームの成熟過程であるオートファゴソームとリソソームの融合を阻害したため同様の表現型を期待したが、他のRab-GAPでは過剰発現のオートファジーへの影響は見られなかった。また、ノックダウンによる発現量抑制を行なうため、それぞれの遺伝子に特異的なshRNAの作製、またノックダウン効率の確認を行なったが、TBC1D2Bに関しては顕著な表現型を確認する事はできなかった。TBC1D11に関しては期間内に表現型解析までは至らなかった。現在までのところ局在や結合から期待されたオートファジーへの関与は明らかにならなかったが、逆にLC3ファミリータンパク質がRab不活性化因子の膜局在の足場になることで膜輸送に関与する可能性も考えられ、LC3ファミリータンパク質のオートファジー以外の機能を明らかにする足がかりになるものと期待している。
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J. Cell Sci.
巻: 126 ページ: 176-185
10.1242/jcs.111211