研究課題
本研究の目的は細胞膜動態とアクチン重合の協調的な制御機構を明らかにし、アクチンカップ形成をモデルとしチューブ膜依存的なアクチン重合の制御機構を統合的に理解することである。本研究によりFBP17による生体膜のチューブ構造依存的なアクチン重合活性化機構をin vitro再構成実験により明らかにすることができた。これはリポソームとアクチンを可視化しFBP17が誘導するチューブ膜に限局してアクチン重合が活性化する様子をタイムラプス顕微鏡で観察するという非常に画期的なものである。in vivoにおいてはFBP17がファゴサイトーシスの際F-BARドメインを介してアクチンカップ形成部位に集積し、その形成に重要であることが明らかとなった。さらにRNAi法とそのレスキュー実験によりFBP17はF-BARドメイン依存的に細胞膜直下で重合し、その重合がアクチンカップ形成に重要であることが分かった。これらの結果はFBP17が誘導する細胞膜の陥入構造がアクチン重合の足場として機能していることを示唆し、ファゴサイトーシスのメカニズムの一端のみならず、新しいアクチン重合制御機構を明らかにすることができ、非常に重要であると考えられる。またファゴサイトーシスは病原体や死細胞の除去に必須であり、本研究結果は医学的にも貢献すると考えられる。
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