ミダレキクイタボヤの生殖細胞形成に関与する遺伝子群をスクリーニングした。生殖腺をもつ群体(有性生殖期)と生殖腺が未発達の群体(無性生殖期)を材料としてサブトラクションライブラリーを作り,104クローンのcDNAを得た。RT-PCRにより,有性生殖期での発現量が無性生殖期の発現量よりも有意に高い91クローンを選抜した。21クローンについてin situ解析で発現を調べたところ,生殖系列細胞で特異的な発現が観察された。生殖系列幹細胞で発現する遺伝子に注目し,機能阻害実験を行うと,生殖腺形成に著しい遅延が引き起こされた。本研究により,群体ホヤの生殖細胞形成を調節する重要な遺伝子が多数明らかになった。
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