シロアリ類の防衛方法の多様性進化を明らかにするために、兵隊の頭部前方の突起構造「nasus」からジテルペンを噴射して攻撃する最も派生的なタカサゴシロアリを用いて、nasusの発生に関わる遺伝子やジテルペン合成に関わる遺伝子の探索を行った。その結果、昆虫の付属肢の遠位部形成に関わるDistal-less 遺伝子がnasus の発生に関わっていることを突き止めた。また、次世代シークエンサーを用いた解析では、ジテルペンの前駆物質であるゲラニルゲラニル二リン酸を合成するまでの全ての遺伝子が同定でき、中でもゲラニルゲラニル二リン酸合成酵素遺伝子の重複、機能改変の可能性が示された。
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