研究課題/領域番号 |
23780007
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
山下 陽子 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究員 (30462386)
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キーワード | 育種学 / 遺伝子 / ジーンサイレンシング |
研究概要 |
本研究では「WILIS」由来のダイズわい化病高度抵抗性遺伝子Rsdv1同定を目的として、ウイルスベクター誘導によるジーンサイレンシング(Virus-induced gene silencing, VIGS)処理したダイズのダイズわい化病抵抗性検定法の開発を行った。 ダイズわい化病抵抗性検定法開発のため、既往の人工ウイルス接種検定を改良した。VIGS処理したダイズはモザイク症状を呈し、従来法の病徴観察での抵抗性判定は困難であるため、ELISAによる感染確認について検討した。その結果、ダイズわい化ウイルス(SbDV)接種2週間後には感受性品種「トヨコマチ」の全個体で感染が確認された。抵抗性品種「トヨコマチRsdv1 NIL」では接種3週間後から感染個体が検出され始め、従来法と同様に抵抗性品種における感染の遅延が確認された。 既往の検定法ではダイズ播種5日後にSbDVを接種しているが、本研究では目的遺伝子の発現をVIGSベクターで抑制してから抵抗性検定を行う必要があるため、VIGSベクター接種適期である播種8日後にSbDVを接種した場合の感染個体率を調査した。その結果、SbDV接種2週間後では、「トヨコマチ」の感染個体率は播種5日後に接種した場合よりも低かったものの、接種4週間後では100%の感染個体率を示した。一方、「トヨコマチRsdv1 NIL」の感染個体率は接種2週間後では0%だったが、接種4週間後では57%に増加した。以上のことから、播種8日後接種では、播種5日後接種より感染個体率が低い傾向があるものの、SbDV接種2~4週間後に抵抗性の判定が可能と考えられた。 以上の結果から、既往の人工ウイルス接種法の改良により、VIGS処理したダイズのダイズわい化病抵抗性の評価が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、ウイルスベクター誘導によるジーンサイレンシング処理したダイズのダイズわい化病抵抗性評価法を確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通り、これまでに確立したウイルスベクター誘導によるジーンサイレンシング系とダイズわい化病抵抗性評価法を用いて、ダイズわい化病高度抵抗性遺伝子Rsdv1を同定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度剰余研究費および次年度研究費については、ダイズわい化病高度抵抗性遺伝子Rsdv1を同定のための試験に使用する。
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