これまでの研究から、ダイズF3’H遺伝子は毛茸色を支配する遺伝子Tであり、低温ストレス耐性に関与することが推察される。本研究では、組換えダイズを用いたF3’Hの低温ストレス耐性に対する効果の検証と形態学的解析やフラボノイド分析による低温ストレス耐性メカニズムの解明を目的とした。現在までに組換えダイズが1系統得られ、RT-PCRやフラボノイドのHPLC分析等により、導入されたF3’H遺伝子が機能していることが示唆された。形態学的解析と抗酸化能測定等から、F3’H遺伝子は未熟種皮のへそや胎座等の柔細胞の液胞膜で発現し、フラボノイド合成および組織の抗酸化活性に関わることが示唆された。
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