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2012 年度 実績報告書

ゲンチオオリゴ糖による多年生植物の新規休眠制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23780029
研究機関公益財団法人岩手生物工学研究センター

研究代表者

高橋 秀行  公益財団法人岩手生物工学研究センター, 細胞工学研究部, 主任研究員 (00455247)

キーワード花卉 / 植物 / リンドウ / メタボローム
研究概要

多年生花卉の周年開花を可能とするには、冬季の休眠調節が必須である。本研究では、人為的な休眠調節技術の確立を目標に、リンドウをモデルとした越冬芽の休眠調節機構の解明を目標としている。
平成24年度は、ゲンチオオリゴ糖代謝経路の特定と、越冬芽の休眠制御におけるゲンチオオリゴ糖の作用機構の解明を目指した。本オリゴ糖の分解酵素(β1,6グルコシダーゼ)は、複数のカラムを用いて精製を行い、候補蛋白質を得ることに成功したが、配列決定には至らなかった。そこで、リンドウESTからグルコシダーゼの配列情報を取得し、休眠誘導~休眠~萌芽までの経時的な発現を調査した。オリゴ糖と挙動が一致するものを選抜し、現在、融合蛋白質を作成している。また、13C標識グルコース並びにシュクロースを用いた実験から、これら糖を出発点にゲンチオビオースとゲンチアノースが合成される経路の存在が明らかとなった。
作用機構の詳細を明らかにするため、オリゴ糖を処理した培養越冬芽のメタボローム解析を行った。解析にはLC-Q-TOFMSを使用し、数千のピークを得ることに成功した。顕著な変動が見られた代謝物群をMS/MS解析したところ、ゲンチオオリゴ糖由来と予想される糖類が含まれており、休眠制御との関与が推測された。さらにターゲットメタボローム解析から、オリゴ糖によって萌芽が誘導される際には、エネルギー物質と共に特定の代謝経路が活性化する結果が得られた。本代謝経路に関連する代謝物と酵素遺伝子を詳細に調べたところ、オリゴ糖処理によって明らかな蓄積並びに発現誘導が観察された。圃場栽培されたリンドウ越冬芽でも同様の結果が得られたことから、観察された現象は越冬芽の萌芽メカニズムの一部であり、その調節にゲンチオオリゴ糖が関与していることが強く示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 代謝解析によるリンドウ越冬芽の休眠メカニズムの解明2013

    • 著者名/発表者名
      高橋秀行、今村智弘、金野尚武、樋口敦美、竹田匠
    • 学会等名
      日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      岡山大学津島キャンパス
    • 年月日
      20130321-20130323
  • [学会発表] 多年生植物の休眠を制御する代謝調節機構の探索2012

    • 著者名/発表者名
      高橋秀行、今村智弘、金野尚武、樋口敦美、竹田匠
    • 学会等名
      第7回メタボロームシンポジウム
    • 発表場所
      慶応義塾大学鶴岡キャンパス
    • 年月日
      20121010-20121012
  • [学会発表] Molecular characterization and functional analysis of dehydrin in overwintering buds of alpine plant Gentiana2012

    • 著者名/発表者名
      今村智弘、高橋秀行
    • 学会等名
      Plant and Microbe Adaptations to Cold (PMAC) 2012
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20120624-20120628
  • [学会発表] Targeted metabolome analysis of overwintering buds of Gentiana triflora during dormancy and breaking of dormancy

    • 著者名/発表者名
      高橋秀行、今村智弘、金野尚武、竹田匠
    • 学会等名
      10th International Congress on Plant Molecular Biology
    • 発表場所
      International Convention Center, Jeju, Korea

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公開日: 2014-07-24  

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