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2011 年度 実施状況報告書

植物病原糸状菌の感染器官分化の制御に関する細胞内分子ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23780044
研究機関京都府立大学

研究代表者

辻 元人  京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (50381934)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード炭疽病 / 遺伝子 / 相同組み換え / 極性 / 病理学 / 形態形成 / 付着器 / 糸状菌
研究概要

ウリ類炭疽病菌の宿主植物への感染には感染器官の分化が必須である。これまでに、活性酸素生成や細胞極性の制御に関わる2種の足場タンパク質CoBem1、CoKel2が本菌の感染器官分化に重要な働きをすることがわかってきた。本年度は、1.CoBem1、CoKel2と相互作用する候補因子の一つとして、出芽酵母において細胞極性制御に必須の因子として知られるRho型Gタンパク質Cdc42に着目し、ウリ類炭疽病菌におけるホモログCoCdc42の機能解析を行った。CoCdc42の特異的遺伝子破壊株を作出し、その性状解析を行った結果、野生株と比較してコロニー生育に遅延がみられ、胞子形成量も低下した。また、野生株と比較して細長い胞子を形成した。スライドガラス上での付着器形成に異常はみられなかったが、野生株と比較して発芽部位に異常が生じ、胞子の短径軸付近から発芽する割合が高くなった。さらに、セルロース膜上における侵入率が低下し、侵入菌糸は分枝が少なく直線的な形態をとった。加えて、宿主葉上における侵入率も低下した。これらのことから、CoCdc42はウリ類炭疽病菌の細胞極性確立に必須の因子ではないこと、また、その破壊によって菌糸生育や胞子形成、胞子形態、発芽部位、侵入率、侵入菌糸形態など、多面的な異常を生じることがわかった。2.ウリ類炭疽病菌のcokel2破壊株の胞子は発芽し付着器を形成した後、菌糸を宿主との接点である下方ではなく、側方に伸ばす表現型を示す。侵入菌糸形成に必須の既知遺伝子とCoKel2の2重破壊株を作出し、その性状を調べたところ、いずれもcokel2単独破壊株と同様の表現型を示した。このことから、CoKel2の破壊により侵入菌糸の形成部位に異常が生じているのではなく、発芽管伸長から付着器形成への切り替えに異常が生じている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実験計画の1つとして、酵母のTwo-hybrid系を利用して既知の細胞極性制御因子と相互作用するタンパク質の同定を試みていたが、実験系のトラブルもあり計画に遅れが生じており、現在、プルダウンアッセイ系の確立と並行して進めている。他の実験計画については概ね順調といえる。

今後の研究の推進方策

酵母のTwo-hybrid系、プルダウンアッセイ系を利用して既知の細胞極性制御因子と相互作用するタンパク質の同定を優先的に進める。またゲノム情報から相互作用が予想される因子を選抜し、上述の系で解析するアプローチも検討している。

次年度の研究費の使用計画

実験に必要な設備備品はほぼ揃っていることから、次年度の研究費の大半は実験に必要な酵素、試薬、ガラス器具等の消耗品の購入に利用する予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Investigating the role of deduced polarity establishment factors during infection-related morphogenesis of Colletotrichum orbiculare

    • 著者名/発表者名
      Takumasa Nomura, Midori Kawashimo, Daigo Takemoto, Yasuyuki Kubo and Gento Tsuji*
    • 学会等名
      日本植物病理学会 第2回日韓合同シンポジウム
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      平成24年3月27日

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公開日: 2013-07-10  

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