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2012 年度 実績報告書

トマト葉かび病菌の新たなエフェクター因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23780046
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

飯田 祐一郎  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所 野菜病害虫・品質研究領域, 研究員 (00456609)

キーワードトマト葉かび病 / Cladosporium fulvum / レース / 寄生性 / エフェクター / Avr5 / 国際研究者交流
研究概要

海外での発生報告がないレースを含む日本国内で分離されたトマト葉かび病123菌株について、レースを決定するエフェクター遺伝子の変異様式を比較するため、Avr2、Avr4、Avr4E、Avr9の遺伝子配列を決定し、一塩基多型解析を行った。その結果、海外分離菌株にはない変異様式が多数みいだされ、本病原菌の多様なレースは海外から侵入したのではなく、国内で独自の寄生性分化を遂げ、日本特有のレースが生じたものと考えられた。また、同じレースでも菌株によって変異様式が異なることが明らかとなり、新レースは各地域においてそれぞれに発生したことが推察された。
解析した4つのAvr遺伝子は、対応する抵抗性遺伝子Cf-2、Cf-4、Cf-4E、Cf-9をもつトマト品種にそれぞれ抵抗性を誘導する。しかしながら、既に同定されている抵抗性遺伝子に対応するいくつかのエフェクター遺伝子は未だ同定されていない。そこで新規エフェクター遺伝子の単離を目指し、感染葉のアポプラスト液におけるプロテオーム解析を行った。一方、Wageningen大学の共同研究グループでは、RNAseqによる大規模な発現解析によりエフェクター候補を選抜した。これら候補タンパク質の中から、抵抗性遺伝子Cf-5をもつトマト品種への抵抗性反応により、Avr5遺伝子が同定された。本遺伝子と相同性を示す遺伝子はDNAデータベース上に存在せず、現在のところトマト葉かび病菌に特徴的である。パルスフィールド電気泳動によりトマト葉かび病菌の染色体を分離し、Avr5遺伝子が座上する染色体を解析したところ、二次代謝産物の生合成遺伝子群を含む1.8Mbの小型染色体であることが明らかとなった。近年、病原糸状菌において多くの病原性関連遺伝子が小型染色体に座上することが明らかにされており、トマト葉かび病菌の病原性においても小型染色体が重要な役割をもつことが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 2008年に群馬県で確認されたトマト葉かび病菌のレース2012

    • 著者名/発表者名
      池田健太郎, 飯田祐一郎, 窪田昌春
    • 雑誌名

      関東東山病害虫研究会報

      巻: 59 ページ: 51-52

    • 査読あり
  • [学会発表] トマト葉かび病抵抗性を打破する国内レースのAvr遺伝子の変異2013

    • 著者名/発表者名
      飯田祐一郎,窪田昌春
    • 学会等名
      日本植物病理学会
    • 発表場所
      岐阜市
    • 年月日
      2013-03-09
  • [学会発表] Distribution and genetic diversity of Cladosporium fulvum races occurred in Japan2012

    • 著者名/発表者名
      Y. Iida
    • 学会等名
      Phytopathology Meeting 2012
    • 発表場所
      Wageningen, The Netherlands
    • 年月日
      20121116-20121116
  • [学会発表] New races with unique mutations in avirulence genes overcoming tomato Cf resistance genes in a Japanese population of Cladosporium fulvum2012

    • 著者名/発表者名
      Y. Iida, P. van ‘t Hof, I. Stergiopoulos, R. Mehrabi, H. Beenen, A. Notsu, M. Kubota, A. Bahkali, K. Abd-Elsalam, F. Terami, J. Collemare, P.J.G.M. de Wit
    • 学会等名
      XV International Congress on Molecular Plant-Microbe Interactions
    • 発表場所
      Kyoto, Japan
    • 年月日
      20120729-20120802

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公開日: 2014-07-24  

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