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2011 年度 実施状況報告書

ケイ酸輸送体の発現制御メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23780069
研究機関岡山大学

研究代表者

三谷 奈見季  岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (40581020)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードケイ酸輸送体 / 発現制御 / イネ
研究概要

平成23年度は、研究実施計画に基づいてイネ由来ケイ酸輸送体の (1) ケイ素応答機構の解析および (2) 発現場所制御機構の解析を行った。 ケイ酸輸送体Lsi1の上流約1.6kbを5’側より200bp毎に削った配列をGFPとつないだコンストラクトをイネ(日本晴)導入し、形質転換体を得た。まず形質転換当代の植物を用いてケイ素に対する応答を調べた結果、ラインによるばらつきが大きく、結果を得ることができなかった。そこでT1世代の植物を用いて、GFPの発現量を比較することによってケイ素に対する応答の有無を検討した。その結果-600bp以降削ることによってケイ素に対する応答が見られなくなったことから、ATGから-600bpの間に応答性に関与するシス配列が存在することが示唆された。また、ケイ酸の吸収量が野生型に比べて著しく低く、結果地上部のケイ酸含量も低い変異体を用い、ケイ酸輸送体のケイ素に対する応答を調べた結果、変異体ではケイ素に対する応答が見られなかったことから、おそらくイネは地上部のケイ素をなんらかの方法でモニタリングし、それを元にケイ酸輸送体の発現量を制御していると考えられた。 (2)の発現場所の制御に関しては、前述の形質転換体をもちいて、GFPの蛍光を観察したところ、-1600bpを導入した場合においてのみ本来の発現パターンである、内皮細胞と外皮細胞への局在を示した。しかし、それ以上削ると内皮細胞外皮細胞に加えて、皮層での発現もみられたことから発現場所の制御に関わる領域は-1600bpから-1420bpの間に存在することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ケイ酸輸送体の発現制御機構を明らかにすべく、23年度の研究実施計画通りpromoter deletion ラインを作成し、ケイ酸の応答性および、組織局在性に関与するシス配列候補領域の絞り込みを行うことができた。また、研究計画には上げていなかったものの、研究を進めていく過程でケイ素の必要量をモニタリングする仕組みの解明も必要となり、変異体を用いた前述の解析を行って、新たな知見を得ることができた。しかしながら、形質転換当代の植物を用いた解析が難しかったことから、当初計画していた出穂期におけるケイ酸輸送体の発現上昇メカニズムの解明を十分に行えなかったことから、達成度はおおむね順調に進展しているとした。

今後の研究の推進方策

平成24年度は23年度の結果を受け、それぞれに関するシス配列のさらなる絞り込みを行うとともに、そこに結合し発現量や発現場所の制御を担う転写調節因子の探索を酵母ワンハイブリッド法を用いたライブラリースクリーニングにより行う。転写調節因子の候補が得られれば、結合能力の有無等更なる解析を行う。 また、イネをケイ酸添加あるいは未添加の条件で水耕栽培し、マイクロアレイ解析により出穂期において特異的に根での発現が誘導されている遺伝子の抽出を行い、平成23年度不十分であったpromoter deletion ラインを用いたアプローチとあわせて、出穂期におけるケイ酸輸送体の発現上昇メカニズムの解析を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度はマイクロアレイ委託解析と研究発表のための旅費および研究遂行のための試薬や器具を含む消耗品費にあてたいと考える。「次年度に使用する予定の研究費」は、23年度に産前産後休暇のために研究を中断した期間に使用する予定であった消耗品費であり、次年度の消耗品費とあわせて本研究の遂行のための消耗品の購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ケイ酸輸送体の発現制御機構の解析

    • 著者名/発表者名
      三谷 奈見季
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      平成23年8月8日

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公開日: 2013-07-10  

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