研究課題
平成24年度は,Cre/loxP系を利用したR-IVET法の確立を目指して以下の実験を行った.1) loxP-SpR(スペクチノマイシン耐性遺伝子)-loxP配列のビフィズス菌染色体への導入:loxP-SpR-loxP配列の両端にB. longum 105-A株染色体上の遺伝子間領域の相同部位を付加した断片を,昨年度に構築したエリスロマイシン耐性遺伝子を持つプラスミドに連結し,染色体導入用ベクターを構築した.このベクターと昨年度確立した遺伝子導入法を用いて,元株であるB. longum 105-A株の染色体の標的領域にloxP-SpR-loxP配列の導入を試みた.結果として,二重相同組換えによりloxP-SpR-loxP配列が標的領域に導入された105-A::SpR株を構築することが出来た.導入した株の生育は元株と同等であり,当該配列の導入による生育への影響はないことを確認できた.2) Creリコンビナーゼ発現用プラスミドの構築:プロモーター領域の無いCre ORFを,ビフィズス菌シャトルベクター(クロラムフェニコール耐性:CmR)にクローン化した.さらに,ビフィズス菌ゲノムDNA断片の挿入が無ければCreが発現しないように,Cre ORFの上流には転写ターミネーターを挿入した.構築したCre発現用プラスミドを1)で構築した105-A::SpR株に導入し,得られた株においてCreが発現せず,2つのloxP配列間で部位特異的相同組換えが起こっていないこと,すなわちSp耐性が失われていないことを確認する.また,既知のプロモーターを連結したCre強制発現プラスミドも構築し,105-A::SpR株に導入する.これによりすべての導入株でSp耐性が消失していれば,Cre/loxP系が105-A株内で十分機能していることを確認できる.これらの検証を現在行っている.
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