本研究では、Thermus 属細菌に見出されたシリカ誘導性プロモーター及びシリカ結合ドメインを組み合わせ、発現と精製を同時に行える新規タンパク質発現・精製システムの構築を目指した。転写機構の解析の結果、シリカ誘導性プロモーターは、コロイドシリカによる培地中の鉄濃度減少に起因し、鉄濃度応答性の制御因子であるFur(TTHA0255)によって制御されることが明らかとなった。同様の機構は大腸菌にも存在することを見出し、シリカ誘導性の発現ベクターを構築することに成功したが、発現・精製のワンステップ化の条件検討までは完了しなかった。
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