• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

大腸菌トランス・トランスレーションの分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23780099
研究機関弘前大学

研究代表者

栗田 大輔  弘前大学, 農学生命科学部, 助教 (60552651)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワードリボソーム / tmRNA / タンパク合成 / トランスレーション
研究実績の概要

本研究は、翻訳停滞解消システムであるトランス・トランスレーションの反応機構の解明を目的としている。前年度までにトランス・トランスレーションの反応を試験管内で再現し、リボソーム結合活性、ペプチド転移反応活性、GTP加水分解活性によって反応中間体を評価することが可能になった。
トランス・トランスレーションにおいて、tmRNA/SmpB分子が中心的な役割を果たす。tmRNA/SmpBは翻訳伸長因子EF-Tu/GTPによってリボソームのAサイトへ運ばれ、GTP加水分解が起こり、EF-Tu/GDPはリボソームから解離して、ペプチド転移反応が起こる。今年度は、tmRNA/SmpBがどのような翻訳停滞リボソームを好むのか検証した。mRNAの種類を変えることで様々な翻訳停滞状態を再現し、それらに対して活性を測定した。
その結果、tmRNA/SmpBはmRNAの3'末端で停滞したリボソームに対して効率よくペプチド転移反応が起きることを明らかにした。それに対して、mRNAの途中で停滞したリボソームに対してはほとんどペプチド転移反応活性を示さなかった。興味深いことに、GTP加水分解はどちらの停滞リボソームに対しても起きることを明らかにした。蛍光標識したSmpBを用いて蛍光偏光解析を行ったところ、後者のリボソームに対しては、結合活性の低下が見られた。
これらの結果は、「tmRNA/SmpBは最初の解離会合の段階ではなく、その後のGTP加水分解後にリボソームの状態を見分けている」ことを示唆するものであった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Ribosome rescue systems in bacteria.2014

    • 著者名/発表者名
      Himeno H, Nameki N, Kurita D, Muto A, Abo T.
    • 雑誌名

      Biochimie.

      ページ: 1-11

    • DOI

      10.1016/j.biochi.2014.11.014.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] ArfA recognizes the lack of mRNA in the mRNA channel after RF2 binding for ribosome rescue.2014

    • 著者名/発表者名
      Kurita D, Chadani Y, Muto A, Abo T, Himeno H.
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research.

      巻: 42 ページ: 13339-13352

    • DOI

      10.1093/nar/gku1069.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Rejection of tmRNA·SmpB after GTP hydrolysis by EF-Tu on ribosomes stalled on intact mRNA.2014

    • 著者名/発表者名
      Kurita D, Miller MR, Muto A, Buskirk AR, Himeno H.
    • 雑誌名

      RNA

      巻: 20 ページ: 1706-1714

    • DOI

      10.1261/rna.045773.114.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] tmRNA-mediated trans-translation as the major ribosome rescue system in a bacterial cell.2014

    • 著者名/発表者名
      Himeno H, Kurita D, Muto A.
    • 雑誌名

      Frontiers in Genetics.

      巻: 66 ページ: 1-13

    • DOI

      10.3389/fgene.2014.00066

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ArfAとRF2による翻訳停滞リボソームの解消機構の解明2015

    • 著者名/発表者名
      栗田大輔、武藤昱、阿保達彦、姫野俵太
    • 学会等名
      第3回Ribosome meeting
    • 発表場所
      宮崎県宮崎市
    • 年月日
      2015-03-17 – 2015-03-18

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi