本研究は,がん細胞増殖抑制活性を示す希少糖の一種であるD-alloseの構造修飾,活性異性体構造の解明による高活性誘導体の開発,分子プローブ化による作用機構の解析を目的とした. まず,D-alloseのC-6位水酸基の構造修飾を検討し,C-6位水酸基を中鎖脂肪酸エステルとすることでヒト白血病細胞株に対する活性が最大約30倍向上することを明らかにした.次に,環構造を制限した誘導体の活性評価から,6員環構造が活性に主に寄与していることを明らかにした.また,分子プローブの基盤となる膜透過性単糖プロドラッグの合成に成功した.
|