成長期からの潜在的亜鉛欠乏が摂食・睡眠に及ぼす影響を検討するため、亜鉛欠乏食・低亜鉛食・亜鉛添加食給餌ラットの糖溶液嗜好性、摂食調節ペプチド分泌を追跡した。亜鉛欠乏食群、低亜鉛食群では亜鉛添加食群に比べ、スクロース溶液よりマルトース溶液・マルトオリゴ糖溶液・グルコース溶液を嗜好した。飼育4日目の血漿中・脳液髄液中オレキシン濃度は、亜鉛欠乏食群で有意に低下し、オレキシン分泌の低下が示唆された。また、妊娠期・授乳期の潜在的亜鉛欠乏が仔の生活習慣性代謝に及ぼす影響を検討した。その結果、妊娠期の潜在的亜鉛欠乏は仔ラットで、インスリン感受性上昇を経て、インスリン抵抗性を引き起こす可能性が考えられた。
|