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2012 年度 実績報告書

インスリン分泌における男性ホルモンと食品因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23780141
研究機関大阪府立大学

研究代表者

原田 直樹  大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (00529141)

キーワードアンドロゲン受容体 / 膵β細胞 / 糖尿病 / S-エクオール / 大豆イソフラボン / インスリン / 細胞増殖
研究概要

日本人を含む東洋人型2型糖尿病では、膵β細胞の減少を伴ったインスリン分泌不全が頻発する。また、日本人の2型糖尿病患者では、テストステロンレベルが低い。そこで本研究では、まずβ細胞におけるテストステロンシグナルの役割を評価し、さらに、食品因子とのクロストークを解明することを目的とした。Wistar系雄性ラットのβ細胞にアンドロゲン受容体(AR)が発現することを明らかにした。β細胞の増殖に及ぼすテストステロンの影響を調べた結果、増殖の指標となるproliferating cell nuclear antigen の発現レベルが去勢によって減少し、テストステロンの補充によって回復することが明らかになった。ラットβ細胞株であるINS-1細胞から単離したARを高発現するINS-1 #6株を用いて、テストステロンがARを介して細胞増殖を亢進することを明らかにした。INS-1細胞では、高グルコース条件下(22.2 mM)あるいはピルビン酸(50 mM)の添加によってARの発現が低下することを見出した。高グルコースによるARの発現の低下作用は、プロテアソーム阻害剤存在下では観察されなかった。AR発現量の低下は、高グルコースによるカルシウムシグナルの亢進が関与し、分泌されたインスリンの影響ではないことが明らかとなった。さらに、高グルコース環境では、テストステロンによる細胞増殖促進作用が観察されなかった。また、大豆イソフラボンであるダイゼインが腸内細菌によって代謝されて産生するS-エクオールが、β細胞の増殖を促進する作用を持つことを見出した。S-エクオールはテストステロンと協調的にINS-1 #6細胞の増殖を促進した。本研究によって、β細胞の増殖におけるテストステロンシグナルの重要性が明らかとなり、食品因子との有益なクロストークが存在する可能性も示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 膵β細胞における男性ホルモンシグナルの役割について2013

    • 著者名/発表者名
      原田直樹
    • 学会等名
      2013年度 日本農芸化学会大会
    • 発表場所
      宮城(東北大学)
    • 年月日
      20130324-20130328
  • [学会発表] 膵β細胞のアンドロゲンシグナリングの役割と高グルコースの影響2012

    • 著者名/発表者名
      原田直樹
    • 学会等名
      第85回 日本生化学会大会
    • 発表場所
      福岡(福岡国際会議場・マリンメッセ福岡)
    • 年月日
      20121214-20121216
  • [学会発表] 膵β細胞における男性ホルモンシグナルに及ぼす高グルコースの影響2012

    • 著者名/発表者名
      原田直樹
    • 学会等名
      第66回 日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      宮城(東北大学)
    • 年月日
      20120518-20120520
  • [学会発表] 前立腺におけるアンドロゲン受容体とタンパク質アルギニンメチル基転移酵素10の相互作用について

    • 著者名/発表者名
      高木俊樹
    • 学会等名
      2012年度 日本農芸化学会関西支部大会
    • 発表場所
      京都(京都学園大学)
  • [学会発表] 膵β細胞におけるアンドロゲン受容体を介したテストステロンの作用について

    • 著者名/発表者名
      原田直樹
    • 学会等名
      第51回 日本栄養・食糧学会近畿支部大会
    • 発表場所
      兵庫(甲子園大学)

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公開日: 2014-07-24  

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