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2011 年度 実施状況報告書

二酸化炭素マイクロ・ナノバブルによる食品殺菌に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23780146
研究機関日本獣医生命科学大学

研究代表者

小林 史幸  日本獣医生命科学大学, 応用生命科学部, 助教 (50460001)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードマイクロ・ナノバブル / 二酸化炭素 / 細菌 / 食品 / 酵素
研究概要

「研究I 低加圧二酸化炭素マイクロ・ナノバブル(MNB-CO2)法による芽胞の失活」(1)芽胞の失活における各処理条件(温度、圧力、時間)の影響:40℃、2 MPa のMNB-CO2処理による芽胞に対する殺菌効果はほとんど認められなかった。 (2)芽胞の発芽誘発効果の検討:上記条件のMNB-CO2処理により芽胞を処理した後、加熱処理を行ったところ、加熱処理のみと比較して一定温度下で生菌数を1/10低下させるために必要な時間(D値)が短縮した。「研究II MNB-CO2処理が微生物細胞に与える影響」(1)細胞外pHの影響:1 MPaのMNB-CO2処理によりイオン交換水のpHは6.15から3.76まで、生理食塩水のpHは3.84から3.33までと大幅に低下した。一方、リン酸-クエン酸緩衝液中のpHは4.00から3.97までしか低下しなかったが、各緩衝液の濃度を0.01および0.001 mol/Lに低下させることで3.86および3.78までそれぞれ低下した。加えて、リン酸-クエン酸緩衝液中のエタノール濃度を上昇させることでpHの低下は少なくなった。さらに、初発pH3.00、4.00および5.00のリン酸-クエン酸緩衝液のpHは2.98、3.97および4.83までそれぞれ低下し、初発pHが高いほどpHの低下幅が大きくなった。「研究III MNB-CO2処理が食品品質に与える影響」(1)酒類の殺菌および酵素失活:MNB-CO2処理によりモデル溶液中のポリフェノールオキシダーゼは完全に失活可能であった。また、MNB-CO2処理により生酒中の火落菌および各種酵素の失活が可能であった。MNB-CO2処理により酒中の香気成分は20%程度減少したが、その損失はすぐに冷却することで防止可能であり、さらに、官能評価によりMNB-CO2処理酒の有効性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究IおよびIIIについてはある程度計画通りに進んでいるが、研究IIについては予定よりも遅れている。研究IIが遅れている理由は、研究について相談していた私の恩師である明治大学農学部早田保義教授が急逝したこと、ならびに使用する実験機器が共通機器であるため使用が限られていることにある。

今後の研究の推進方策

これまで共通機器の分光蛍光光度計を使用していたが、新たに分光蛍光光度計を購入し、研究の進行を早くする。また、研究の1部を委託し(謝金を支払う)、研究のスピードを上げる。

次年度の研究費の使用計画

次年度に使用する予定の研究費および翌年度に請求する研究費の合計 2,263,350円 物品費 1,763,350円 消耗品費 663,350円 備品費 1,100,000円(分光蛍光光度計FR-5300PC)謝金 200,000円 細胞観察委託の謝金旅費 100,000円 学会旅費2回分その他 200,000円 論文投稿料2件、英文校正費2件

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] CO2微細バブルを利用した新規殺菌法の開発と応用2011

    • 著者名/発表者名
      小林史幸、小竹佐知子、早田保義
    • 雑誌名

      ファインケミカル

      巻: 40 ページ: 54-62

  • [学会発表] 低加圧二酸化炭素マイクロ・ナノバブルによる生酒の殺菌および酵素失活

    • 著者名/発表者名
      小林史幸、池浦博美、小竹佐知子、早田保義
    • 学会等名
      日本食品科学工学会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      平成23年9月11日

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公開日: 2013-07-10  

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