研究課題/領域番号 |
23780150
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小関 成樹 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70414498)
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キーワード | 適合溶質 / 増殖阻害 / アミノ酸 / 代謝阻害 / 予測モデル |
研究概要 |
細菌のストレス応答機構を利用して,適合溶質として細胞内恒常性維持に寄与しない食品素材を細胞内に誤って取り込ませ,代謝阻害を誘導し,細菌の活性低下を誘発する。このように活性の低下した細菌に対して温和な加熱処理等を施すことで,相乗効果により従来よりも殺菌効率を 大幅に向上させるとともに,食品の品質低下を最小限に抑えるのが本研究の狙いである。 平成 25年度はこれまでに見出した代謝阻害を誘導する候補物質1種類を用いて,グラム陰性菌として Escherichia coli とSalmonellaを,グラム陽性菌として Listeria monocytogenes に対する効果を検討した。具体的には,加熱ストレス以外の浸透圧ストレス負荷条件下での代謝阻害活性を明らかにし,最終的には広範な環境ストレス下で効果の高い物質を選抜し,それら候補 物質の濃度依存性についても明らかにした。その結果,浸透圧ストレスとの組み合わせによって,候補物質の一つである必須アミノ酸が極めて強力な増殖阻害活性を示すことを明らかにした。特に,グラム陰性菌に対しての効果が顕著であり,低濃度(~10 mM)の添加から効果を示し,濃度上昇に伴い効果も増大することを明らかにした。 さらに,固形培地上に当該物質を添加して増殖抑制効果を検討した結果,液体培地中と同様に増殖阻害を誘導することを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
25年度に、各種アミノ酸の細菌増殖抑制効果をについての分析を行い、その結果を細菌増殖抑制効果の数理モデル化を 行うとともに国際学会において発表する予定であった。しかしながら,一部のアミノ酸の細菌増殖抑制効果が極めて顕 著であったため、計画を変更して細菌増殖抑制効果の発現メカニズムの解析を行う こととしたため、当初の計画から遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
上述の理由から,次年度において細菌増殖抑制効果の発現メカニズムの解析結果をさらに深く分析して,増殖抑制効果の数理モデルを構築するとともに,国際学会での発表さらには論文発表を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度に、各種アミノ酸の細菌増殖抑制効果をについての分析を行い、その結果を細菌増殖抑制効果の数理モデル化を 行うとともに国際学会において発表する予定であった。しかしながら,一部のアミノ酸の細菌増殖抑制効果が極めて顕 著であったため、計画を変更して細菌増殖抑制効果の発現メカニズムの解析を行う こととしたため、未使用額が生じ た。 このため,次年度において細菌増殖抑制効果の発現メカニズムの解析結果をさらに深く分析して,増殖抑制効果の数理 モデルを構築するとともに,国際学会での発表を行うこととして,未使用額はその経費に充てることとする。
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