研究課題/領域番号 |
23780153
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山浦 悠一 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20580947)
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キーワード | パッチ面積 / 階層ベイズ / 景観生態学 / 機能群 / 国際情報交換 / 林業 / 草地 / アンダーユース |
研究概要 |
本年度は、昨年の調査の補完データを採取し、同時にデータの整理を進めている。首尾よく植物・ハナバチ、鳥類の結果をまとめられたので、試行的な解析を行なっている。近年取り組んでいるベイズモデリングでの解析を考えており、おおよそのモデル構造を決定したと考えている。モデルでは、ハナバチと鳥類で発見率が1未満であることを考慮する。植物のプロット調査は発見率が1であると仮定する。ハナバチと植物ではパッチ全域を調査することができない。そこで、サンプリングデータから各種の密度もしくはプロットへの出現確率を推定し、これをもとにパッチレベルの個体数・出現頻度を推定するという形を取る。そして、各種の密度・出現確率の面積依存性も同時に推定する。発見率の低さ及びサンプリング面積の小ささにともなう非発見種の存在はデータ添加法によって考慮・推定する。この一連のモデル構造により、各種のパッチ面積の依存性(選好性)を元に、パッチ全体での群集レベルでの種数・個体数を推定することが可能になる。これは、いくつかの点で画期的である。一つは、従来別個に行なわれてきた各種の密度の面積依存性と種数の面積依存性の解析を同時に行なうことにより、面積の増加に伴う種数の増加のメカニズムを類推することができる。また、発見率及び調査カバー率が不完全な一般的な状況下で種数の面積に対する反応を調査することができる。また、階層ベイズモデルの複数種個体数モデルにおいて発見率を新たな方法論(多項混合分布)で考慮することになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査は順調に進展し、解析も試行的に進められているため。
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今後の研究の推進方策 |
解析を進展させ、必要に応じて現地調査を行なう。論文を執筆・投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
現地調査や学会発表に必要な旅費に使用する。 また、大規模データの解析に耐えうるパソコンを購入する予定である。
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