研究課題/領域番号 |
23780160
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻 大和 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (70533595)
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キーワード | 国際情報交換 / 種子散布 / 霊長類 |
研究概要 |
平成24年度はインドネシアに2回渡航した。昨年度の成果を受けて、とくにシルバールトン、にしぼって行動観察を継続することにした。申請者の不在中はインドネシア人アシスタントにデータの収集を依頼している。行動観察と並行して、シルバールトンの行動圏内の毎木調査を行い、果実生産木の位置を関係を明らかにしたほか、霊長類による果実の選択に関わる要因を明らかにするために、各果実の栄養分析を継続して実施し、現在までに154品目の分析を終えた。調査と並行して、シルバールトンの個体識別に関する共著論文を発表するとともに、種間関係についての解析結果を関連学会で報告した。 ベトナムについては、昨年度の調査で収集した糞サンプルの内容物分析を行い、学術誌に投稿した。 日本国内については、金華山島に二回渡航して、行動観察を実施した。種子散布に関する成果をまとめて関連学会で報告した。香川県の小豆島および長野県の地獄谷で予備的な調査を行い、糞サンプルの採集と分析を行った。金華山で過去に収集した糞サンプルの分析結果を論文にまとめ、学術誌に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インドネシアでの調査については、システマティックな行動データの収集を実施でき、また並行して収集していたデータで学術論文を発表できた。ベトナムでの調査は論文の投稿にこぎつけた。日本での調査はおおむね順調で、予備的に訪問した小豆島で収集したデータを学術誌に公表できた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、インドネシアに一回(6月)の渡航し、種子散布者による散布特性の比較を実施する。そのために、行動観察および糞分析を実施する。これらと並行して、糞に含まれる種子の発芽実験を実施する。いっぽう、国内調査については金華山島に1-2回渡航し、ニホンザルの行動観察および糞サンプルの採集・分析を行う。研究成果はすみやかに日本哺乳類学会、日本霊長類学会、日本生態学会で発表するとともに、国際学術誌に投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は物品購入費と人件費の使用が当初予想を下回ったため、\135705の余剰金が生じた。この余剰金を次年度の助成金と合わせて、金華山島での調査にかかる費用、日本哺乳類学会、日本霊長類学会、日本生態学会などへの参加費用、ないしインドネシアでのアシスタントへの謝礼、英文校閲費にあてる。
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