研究課題
本研究の目的は、①森林生態系における、大型哺乳類の種子散布者としての相対的な役割を、霊長類類をモデルとして、熱帯・温帯の両地域で評価すること、②「社会的なまとまりをもつ群れで生活する」という、大型哺乳類(特に霊長類)に特有な生活様式が、各個体の採食行動を介して、種子の散布特性に及ぼす影響を明らかにすること、の二点であった。平成23年度から25年度までの3年間で、マカク類3種(ニホンザル・カニクイザル・アカゲザル)とコロブス類1種(ジャワルトン)を対象に、日本、インドネシア、ベトナムで野外調査を実施した。まず、他の種子散布者ギルドとの散布特性の比較から、種子散布者としての霊長類の相対的な重要性を、熱帯地域(対象:カニクイザル・カニクイザル・アカゲザル)と温帯地域(対象:ニホンザル)で評価し、「霊長類=重要な散布者」という構図が、いずれの気候帯でも成立することを確認した。なお、種子散布特性として、糞中の植物種子数、糞あたりの種子の個数、種子の破壊率、種子の発芽率の4つを設定した。次に、社会的順位の異なる、さまざまな成獣メス個体の採食行動および種子散布特性を、優劣スタイルの厳しいマカク類と、優劣スタイルのゆるやかなジャワルトンで比較した。なお、個体間の順位関係はニホンザルとジャワルトンでのみ評価した。採集した糞サンプルの内容物の順位による違いについては、現在解析中である。
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DOI 10.1007/s13364-014-0181-1
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