• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

キノコ類グルカナーゼの糖転移活性を利用した分岐型機能性βグルカン合成

研究課題

研究課題/領域番号 23780169
研究機関公益財団法人岩手生物工学研究センター

研究代表者

金野 尚武  公益財団法人岩手生物工学研究センター, 生物資源研究部, 研究員 (60549880)

キーワードバイオマス / 酵素反応 / 糖鎖 / 応用微生物
研究概要

キノコ類に含まれるβグルカンの一部は抗腫瘍作用を示すが、精製が困難、構造が複雑で、モデル材料を合成する手段もない為、その作用に関する分子レベルでの解明が進んでいない。本研究では、キノコ類から単離したβグルカナーゼの糖転移活性を利用して、各種βグルカンを人為的にデザインする手法を確立することを目的とした。
平成24年度は新たに担子菌スエヒロタケから糖質加水分解酵素(GH)ファミリー30に属するβ-1,6グルカナーゼ(ScPus30A)をクローニングし、こうじ菌(Aspergillus oryzae)で異種発現させた。SDS-PAGE上で分子量は57,000と推定された。他のGH30酵素群とのマルチアライメントから、207番目と302番目のグルタミン酸が活性中心残基であると予想された。そこで、それぞれについてアラニン、グリシン、セリンの変異体を作成し異種発現させた。これら変異酵素とフッ化糖(α-フッ化グルコピラノシド)を用いてβ-1,6グルカンの合成反応を検討したが、合成反応は認められなかったことから、本酵素群を用いた合成反応にはフッ化ゲンチオオリゴ糖が必要であると予想された。そこでオリゴ糖の合成用にイネいもち病菌のGHファミリー2種についても合成酵素化を行い計6種類の変異酵素を得た。これらを組み合わせることでβグルカンの酵素合成が可能になると考えられる。
一方で、担子菌ウシグソヒトヨタケよりGHファミリー16に属する酵素をクローニングし、上記と同様にこうじ菌で異種発現させた。コンブ由来のβ-1,3/1,6グルカンであるラミナリンを本酵素で分解させたところ、主生成物としてβ-1,6結合でグルコース側鎖をもつβ-1,3グルカン3糖および4糖を得ることができた。これらオリゴ糖を材料に機能性グルカンを調製できる可能性がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] きのこ類が生産する糖質加水分解酵素2013

    • 著者名/発表者名
      金野尚武
    • 雑誌名

      木材保存

      巻: 39 ページ: 60-70

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characterization of β-N-acetylhexosaminidase (LeHex20A), a member of glycoside hydrolase family 20, from Lentinula edodes (shiitake mushroom)2012

    • 著者名/発表者名
      N. Konno, Takahashi H., Nakajima M., Takeda T. and Sakmoto Y.
    • 雑誌名

      AMB Express

      巻: 2 ページ: 29

    • DOI

      10.1186/2191-0855-2-29

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inhibitory effects of polysaccharides on cariogenic activities of Streptococcus mutans2012

    • 著者名/発表者名
      A. Yano, Konno N., Imai S. and Kato H
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      巻: 76 ページ: 2313-2316

    • 査読あり
  • [学会発表] きのこ由来β1,6グルカナーゼの異種発現とその応用2012

    • 著者名/発表者名
      金野尚武
    • 学会等名
      日本応用糖質科学会平成24年度大会
    • 発表場所
      東京農工大学府中キャンパス
    • 年月日
      20120919-20120921
  • [学会発表] シイタケ由来のGH20β-N-アセチルヘキソサミニダーゼ2012

    • 著者名/発表者名
      金野尚武
    • 学会等名
      第26回キチン・キトサンシンポジウム
    • 発表場所
      北海道大学学術交流会館
    • 年月日
      20120712-20120713

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi