食用キノコ類の害虫を含むキノコバエ類群集を森林内・ホダ場・生産施設の間で比較した。大分県日田市内の人工林および天然林各所を調査地とした。調査地内の樹木の種類と幹数を記録し、トラップ、掬い採り、羽化試験などでキノコバエ類を採集した。キノコバエ類の属を単位とした群集解析の結果は、天然林と人工林の間で異なる群集が形成されていることを示した。シイタケ害虫となるキノコバエ類は原木ホダ場や菌床施設周辺の森林では生息密度が低いと考えられた。採集されたキノコバエ類を欧州の博物館標本と比較した結果、従来知られているナガマドキノコバエが複数種に分けられることが判明し、それらの一部を新種として記載した。
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