本研究は、植物細胞壁の骨格物質でもある「セルロースナノファイバー(CNF)」の優れた力学特性を活かして、従来の高分子ゲルとは異なる特異な構造および性質を有する「高結晶性ナノファイバーゲル」を創製し、その特性解析およびさらなる高強度化・高機能化により、CNFの新しい分野への応用展開を図ることを目的としている。アルカリ膨潤したCNF同士の交互嵌合により、結晶性ナノファイバーからなる連続的なネットワークが形成され、優れた引張特性を示すゲルとなる。本手法は、同じく天然由来の結晶性ナノファイバーであるα-およびβ―キチンにも適用され、いずれも安定な高強度ゲルが得られた。
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