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2011 年度 実施状況報告書

エビ類のサイナス腺に存在する成熟促進ホルモンの単離

研究課題

研究課題/領域番号 23780204
研究機関神奈川大学

研究代表者

大平 剛  神奈川大学, 理学部, 助教 (10361809)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードクルマエビ / スジエビ / 成熟 / サイナス腺 / ホルモン
研究概要

未成熟な養殖クルマエビと天然で成熟したクルマエビのサイナス腺をそれぞれ顕微鏡下で摘出し、それらに含まれる神経ホルモンを、有機溶媒を用いて抽出した。そして、未成熟養殖エビ由来の抽出物と天然成熟エビ由来の抽出物を、それぞれ逆相のHPLCを用いて分離し、天然成熟エビの抽出物でのみ観察されるピーク産物(成熟促進ホルモン候補分子)を回収した。ピーク産物をさらに逆相のHPLCを用いて分離し、成熟期に貯蔵量が増える分子を精製した。精製産物を未成熟なクルマエビの卵巣培養系に添加し、培養後、卵巣中の卵黄タンパク質前駆物質(ビテロジェニン)の遺伝子発現量をリアルタイムPCRで定量した。しかし、このピーク産物にはビテロジェニン遺伝子の発現を促進する活性(成熟促進活性)は観察されなかった。これは、未成熟な卵巣には成熟促進ホルモンに対する感受性がない可能性が考えられた。そこで、現在は天然で成熟したクルマエビの卵巣培養系の確立に取り組んでいる。 スジエビのサイナス腺から主要なホルモン分子を精製し、N末端アミノ酸配列を決定した。その結果、それら主要な分子は他種十脚目甲殻類の卵黄形成抑制ホルモンと相同性を示した。現在、それら分子の生物活性を注射実験により調べている。 クルマエビ科のヨシエビでは脱皮抑制ホルモン様分子に成熟促進活性があることが報告されている。そこで、クルマエビの脱皮抑制ホルモンと脱皮抑制ホルモン様分子に成熟促進活性があるかどうかを確かめるために、それら2種類の分子の組換え体を大腸菌で発現させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り成熟したクルマエビのサイナス腺に特異的に観察される分子を精製することができた。スジエビを用いた実験が予定より遅れているが、当初の研究計画にはなかった、クルマエビの脱皮抑制ホルモンと脱皮抑制ホルモン様分子の組換え体の調製を既に終了した。総合的に判断すると、概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

本課題で単離したクルマエビの成熟期に特異的に観察される分子、大腸菌で発現させた組換え脱皮抑制ホルモンと組換え脱皮抑制ホルモン様分子の成熟促進活性を、成熟したクルマエビの卵巣培養系を用いた実験と、成熟したクルマエビへの注射実験により明らかにする。 スジエビを用いた研究は、注射実験による成熟制御活性の測定にのみ的を絞る。

次年度の研究費の使用計画

クルマエビとスジエビなどの生物材料費、ビテロジェニン遺伝子の発現量を定量するためのリアルタイムPCRの試薬代に研究費を使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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