研究課題/領域番号 |
23780210
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高田 健太郎 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (90455353)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 海洋微生物 / 海綿 / 共生 / 難培養 / シグナル物質 / メタボロミクス |
研究概要 |
1.シグナル物質を放出するバクテリアのスクリーニング神奈川県三浦半島で採集したクロイソカイメン(Halicondoria okadai)を人工海水中、ジューサーでホモジナイズし、遠心、限外濾過を組み合わせることで滅菌海綿エキスを作製することに成功した。さらにこのエキスの添加の有無による、同海綿共生微生物のA2およびGause’s No.1寒天培地上での生育を観察した。また、2種の微生物が共存することで、生育が促進されるようなペアを探索した結果、複数の有望株を発見した。2.LC-MSによる微生物抽出物のメタボロミクス解析 これまでの生物活性を指標とした活性物質の単離、精製方法に加え、効率的に活性物質およびシグナル物質を同定するため、LC-MSを用いた微生物抽出物のメタボロミクス解析の検討をおこなった。すなわち、因子の有無による微生物培養液の化合物をLC-MSで分析したのち、保持時間とMSデータを用いて培養液間での差を検出する。この際に、単純な比較にのみならず主成分解析など統計学的方法論を用いる。現在、候補株の培養抽出物についての解析をおこない、各種クロマトグラフィーを用いて活性物質の単離を試みている。さらに、単離後はNMR、MSなどの機器分析に付し、化学構造を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね、研究課題の目的達成に向け順調に進んでいると考えている。当初の計画に加え、効率的に活性物質を同定するためにLC-MSによるメタボロミクス的手法を取り入れることにした。決して新しい方法ではないが、導入にあたりコンピューター上でのデータ解析方法を試行錯誤した結果、当初の予定よりは若干、遅れが生じている。しかしながら、このメタボロミクス的手法は本研究課題のみならず、研究室でおこなっている様々なプロジェクトに活かせる方法であり、その点で、非常に評価している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の通り、目的とする活性物質の単離、精製、構造解析、および評価をおこなっていく。同時に本年度は長期的な研究を見据えて、新たな方法論を検討したいと考えている。すなわち、共生微生物の遺伝子資源を有効活用するため、フォスミドベクターを使用したメタゲノムライブラリを作成し、その中からもシグナル物質の探索を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は特に高額な機器の購入予定はなく、化学、生化学試薬やガラス、プラスチック製品などの消耗品に研究費を使用する。また、学会参加や試料採集のための旅費に使用する。
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