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2012 年度 実績報告書

魚類獲得免疫の成立に及ぼすサイトカインの影響

研究課題

研究課題/領域番号 23780211
研究機関東京海洋大学

研究代表者

近藤 秀裕  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (20314635)

キーワード魚類免疫 / ワクチン / サイトカイン / 獲得免疫
研究概要

魚類養殖で問題となる病原微生物疾病に対して効果的なワクチンを開発するため、獲得免疫の成立に及ぼす魚類サイトカインの影響を解析した。
ヒラメを対象として、炎症系サイトカインの一種であるInterleukin-1 beta(IL-1β)が獲得免疫を調節する機構を解析した。まず、ヒラメIL-1βアイソフォームの構造解析を行い、本魚種において複数のIL-1βアイソフォームが免疫応答において複雑に働く可能性を示した。これらのアイソフォームのうち、特に顕著な発現変導を示したものをヒラメ筋肉中で強制的に発現させ、獲得免疫の成立に及ぼす影響を解析した。抗原タンパク質あるいはDNAワクチンとして投与した抗原遺伝子に対する特異抗体価は、IL-1βを強制的に発現させた個体において顕著に上昇することを示した。
さらに、哺乳類において獲得免疫の成立を調節する上で重要なサイトカインの1つであるIL-12に着目し、ヒラメを対象としてcDNAクローニングを行った。IL-12はp35およびp40のヘテロ2量体からなり、ヒラメでは2種類のp40が存在することを示した。さらに、IL-12ファミリー分子のEpstein-Barr virus-induced gene 3遺伝子についても同定した。これらの遺伝子は、病原微生物関連パターン分子の投与により発現変動することから、魚類においてもIL-12が獲得免疫の成立に働くことが示唆された。
また、ウイルス感染症に対する防除機構に重要なサイトカインの1つであるI型インターフェロン(IFN)の効果について解析し、解析したすべての魚種で、低い飼育水温で飼育した場合にIFNの効果が顕著に活性化されることを示した。さらに培養細胞を用いた解析により、本効果が細胞レベルで見られることを確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Identification of novel interleukin 1 beta family genes in Japanese flounder Paralichthys olivaceus.2012

    • 著者名/発表者名
      Apichaya Taechavasonyoo, Hidehiro Kondo, Reiko Nozaki, Yutaka Suzuki, Ikuo Hirono
    • 雑誌名

      Fish Shellfish Immunol

      巻: 34 ページ: 393-396

    • DOI

      10.1016/j.fsi.2012.10.001

    • 査読あり
  • [学会発表] The immuno-adjuvant effect of interleukin-1β in Japanese flounder (Paralichthys olivaceus)

    • 著者名/発表者名
      Apichaya Taechavasonyoo, Ikuo Hirono, Hidehiro Kondo
    • 学会等名
      International Society of Development and Comparative Immunity
    • 発表場所
      福岡
  • [学会発表] ヒラメ Epstein-Barr virus-induced gene 3 遺伝子の 構造および発現解析

    • 著者名/発表者名
      杉山巴美・近藤秀裕・廣野育生(海洋大)
    • 学会等名
      平成25年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学、品川

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公開日: 2014-07-24  

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