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2012 年度 実施状況報告書

メスガニ尿中の成熟脱皮関連バイオマーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 23780212
研究機関東京海洋大学

研究代表者

神尾 道也  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助教 (30578852)

キーワード派遣 米国
研究概要

本研究はブルークラブの尿中の代謝物(メタボローム)の変動を明らかにし、さらに、成熟、脱皮、および性に特異的な化合物(バイオマーカー)を同定し、甲殻類のフェロモン、脱皮、成熟に関する基礎研究に資することを目的としている。最終的には同定したバイ
オマーカーのバイオアッセイを行いブルークラブのケミカルコミュニケーションにどのようにかかわっているのかを試験する。23年度にはマイナーなバイオマーカーを米国アトランタ市のジョージア州立大学に出向き、冷凍保存してあった尿試料をC30カラムを用いた逆相カラムで分画し、NMRで解析したところ、バイオマーカーはフロントピークに溶出され、非常に高い極性を持つことが確認された。これらのバイオマーカーを単離し、分析するためにはさらに多くの尿が必要であるので、平成24年の9月に米国ノースカロライナ州のカニ漁師の施設訪問し、脱皮前のオスとメスの尿の採集を行いそれぞれ100mL程度を採集した。現在この試料を用いて単離精製作業を進めている。さらに、以前発見した脱皮前バイオマーカーであるNAGLの濃度変化をNMRを用いて解析し、雌雄ともに脱皮前で最大となることを確認した。この結果はJournal Experimental Biology へ投稿準備中である。NAGLは非常に極性が高く、それを尿中の無機塩類と簡便に単離できる方法が見つかっていないため、LC-MSを用いた微量分析ができない。LC-MSでの微量定量分析を可能にし、甲殻類全体に普遍的にこの化合物が存在するのかを検証するために、NAGLを吸着し脱塩するする固相抽出法を検討したところ、グラファイトカーボンカラムに吸着され、アセトニトリルを含んだ水溶液で溶出できることが明らかとなった、現在、抽出法の最適化作業を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

震災の影響も薄れ、米国に採集に行くなど。研究を進めることができた。また、科研費で簡易型のHPLCを購入したことにより、クロマトグラフィーの条件検討が日常的に行えるようになり、研究が進んだ。

今後の研究の推進方策

今後はグラファイトカーボンカラムを用いてNAGLの脱塩法を吟味し、LC-MSを含むHPLCを用いた定量法を確立して、ブルークラブ及び各種甲殻類における定量分析を行う。また、グラファイトカーボンカラムにNAGLが吸着することが明らかとなり、NAGLのみならず、現在までに分析が困難であった高極性化合物を分離できる可能性が出てきた。今後は昨年採集したブルークラブの尿を用いて、まずはNMRでの検出と定量を用いながらさらなるメス尿バイオマーカーの探索と同定を行っていく。

次年度の研究費の使用計画

グラファイトカーボン固相抽出カラムを12万円、NAGLの合成品50mgを8万円、アセトニトリル等の溶媒を10万円、NMR溶媒を5万円、プラスチック及びガラス器具5万円、一般試薬13万円で購入予定。合計53万円の研究費を使用する。

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公開日: 2014-07-24  

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