まず、NAGLの尿中濃度の測定をNMRを用いて行い、成熟個体の脱皮前、脱皮後の尿と未成熟個体の尿中の濃度を詳細に確認し、NAGLが脱皮前バイオマーカーであることを確認した。また、ジョージア州立大学のDerby教授との共同研究により、NAGLに対するオスガニの反応をしらべるために行動実験および、オスガニの触覚上の嗅覚細胞のカルシウムイメージングを行い、生理学的にも神経生理学的にもNAGLはオスガニにとっての匂い物質であることを確認した。 NAGLの微量での定量法の確立のために、グラファイトカーボンカラムを用いた尿中からのNAGLの分離法を吟味し、良好な条件を見出した、これにより、アセトニトリル系移動相とHILICカラムを用いたHPLCでのNAGLの分析が可能になった。しかしながら、化合物の性質上、紫外線、可視光検出器を用いての微量分析は不可能であるので、今後LC-MSでの分析法の確立を目指すことになった。
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