研究概要 |
本研究は麻痺性貝毒の原因となる有毒渦鞭毛藻 Alexandrium tamarenseの増殖に関する分子機構を明らかにすることを目的とした.増殖に関与する成分は細胞外にあると考えられることから,初めに渦鞭毛藻の分泌タンパク質に関して調べた.その結果,約20kDa のタンパク質が主成分であることを示した.次に,渦鞭毛藻の推定分泌タンパク質をコードする遺伝子の単離を試み,得た遺伝子を AtCRP と名付けた.さらに,AtCRP が分泌タンパク質である可能性を示すことが出来た.最後に,A. tamarense の増殖を阻害する珪藻を調べた結果,Chaetoceros didymus の近縁種が増殖を阻害し,その成分は珪藻の細胞膜上に存在するものと推測された.
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